おく・る【送る・贈る】🔗⭐🔉振
おく・る【送る・贈る】
〔他五〕
本来は、意志的に後からついて行く意。転じて、後から心をこめて人に物をとどける意。
➊《送》去りゆくものに、別れがたくてついて行く。
①行く人につき従って守って行く。同道する。万葉集5「あま飛ぶや鳥にもがもや都まで―・り申して飛びかへるもの」
②去る人に別れを惜しんでついて行く。去りゆくものに対し惜しみながら別れる。見送る。万葉集11「わぎもこが我を―・るとしろたへの袖ひつまでに泣きしおもほゆ」。宇津保物語俊蔭「七人の人音声楽して…川のほとりまで―・る」。「駅まで―・る」「卒業生を―・る」
③葬送する。死者を墓地に運ぶ。また、去りゆく死者に別れを告げる。万葉集9「あしひきの荒山中に―・りおきてかへらふ見れば心苦しも」。古今和歌集哀傷「さきのおほきおほいまうちぎみを白川のあたりに―・りける夜」。「先年親を―・った」
④時をすごす。源氏物語宿木「いたづらに日を―・るたはぶれにても」。新古今和歌集冬「冬の夜の永きを―・るほどにしも暁がたの鶴の一声」。「幸福な日を―・る」
➋《贈》気持をこめて人に物をとどける。
①贈呈する。つかわす。与える。万葉集18「雪の上に照れる月夜に梅の花折りて―・らむ愛はしき児もがも」。伊勢物語「いとあはれと思ひて夜のものまで―・りてよめる」。日葡辞書「フミヲヲクル」。「讃辞を―・る」「プレゼントを―・る」
②死後に官位を授ける。源氏物語桐壺「三位の位―・りたまふよし、勅使きてその宣命よむなむかなしき事なりける」
③称号あるいは名前などを与える。芭蕉、幻住庵記「幻住庵の三字を―・らる」。「死後楽聖の名を―・られる」
➌《送》こちら側の事物をあちら側の別の所に動かして移す。
①先方に届くようにする。派遣する。送付する。宇津保物語俊蔭「琴をば例の旋風つじかぜ―・る」。「荷物を―・る」「使節を―・る」「合図を―・る」「視線を―・る」
②恩返し・つぐないなどをする。日葡辞書「ヲン(恩)ヲヲクル」「トガヲヲクル」
③順次に次へ移し動かす。「バケツを手で―・る」「ひざを―・る」
④(文字が読みやすいように)漢字の下に仮名をつける。送りがなをつける。「活用語尾を―・る」
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