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なずき【脳】ナヅキ🔗🔉

なずきナヅキ ①脳のう。脳髄。今昔物語集5「我が首かしらの―返りて水と成して」 ②転じて、あたま。東海道中膝栗毛2「―やアあがり申さない」

のう【脳】ナウ🔗🔉

のうナウ (brain)中枢神経系の主要部。脊髄の上端に連なり、脳膜に包まれて頭蓋腔内にある。かすかに紅い灰白色。大脳(終脳)・間脳・中脳・小脳および橋きょう・延髄に分けられ、特に大脳は人の意識活動の中心で、一般に脳といえば大脳を指すことが多い。人の脳の全重量は平均約1300グラム。脳髄のうずい。徒然草「鼻より入りて―を食むといへり」 脳 大脳 前頭葉 間脳 脳下垂体 中脳 延髄 小脳 後頭葉

のう‐あつ【脳圧】ナウ‥🔗🔉

のう‐あつ脳圧ナウ‥ (→)脳内圧に同じ。

のう‐いっけつ【脳溢血】ナウ‥🔗🔉

のう‐いっけつ脳溢血ナウ‥ (→)脳出血に同じ。

のう‐えん【脳炎】ナウ‥🔗🔉

のう‐えん脳炎ナウ‥ 脳の炎症性疾患の総称。日本脳炎・化膿性脳炎など。

のう‐かい【脳回】ナウクワイ🔗🔉

のう‐かい脳回ナウクワイ 脳の表面にある襞ひだ。脳回転。回。

のう‐かすいたい【脳下垂体】ナウ‥🔗🔉

のう‐かすいたい脳下垂体ナウ‥ 間脳底に垂下した丸みを帯びた小指頭大の内分泌腺。中頭蓋窩で蝶形骨トルコ鞍の下の下垂体窩内にあって、細い漏斗を介して第三脳室下につらなる。腺性下垂体(前葉)と神経下垂体(後葉)から成る。前葉からは成長ホルモン・生殖腺刺激ホルモン・甲状腺刺激ホルモン・副腎皮質刺激ホルモン・黄体形成ホルモンが分泌され、後葉では視床下部でつくられた抗利尿ホルモン・子宮筋収縮ホルモンなどが貯えられて分泌される。神経系と内分泌系との連接部をなす。下垂体。→脳(図)

のう‐かん【脳幹】ナウ‥🔗🔉

のう‐かん脳幹ナウ‥ 脳のうち大脳半球と小脳とを除いた部分。間脳・中脳・橋きょう・延髄を併せていう。 ⇒のうかん‐もうようたい【脳幹網様体】

のうかん‐もうようたい【脳幹網様体】ナウ‥マウヤウ‥🔗🔉

のうかん‐もうようたい脳幹網様体ナウ‥マウヤウ‥ 中枢神経系内部で明瞭な核や神経路をつくる以外の、灰白質が網目状に配列し、その間を白質が埋めている部分。脳幹全域に広がり、外界からの刺激に応じて大脳皮質の活動水準を保ち、意識をはっきりさせておく働きを持つ。この活動が低下すると睡眠状態に陥り、障害されると昏睡に陥る。網様体。 ⇒のう‐かん【脳幹】

のう‐きょう【脳橋】ナウケウ🔗🔉

のう‐きょう脳橋ナウケウ (→)きょう2に同じ。

のう‐げか【脳外科】ナウ‥クワ🔗🔉

のう‐げか脳外科ナウ‥クワ 脳の外傷・出血・腫瘍などを手術的手段によって治療する外科の一分野。

のう‐けっせん【脳血栓】ナウ‥🔗🔉

のう‐けっせん脳血栓ナウ‥ 脳の動脈に生じた血栓のため血流が妨げられて、脳組織が壊死えし・軟化し、その部分の機能が消失する疾患。

のう‐こうそく【脳梗塞】ナウカウ‥🔗🔉

のう‐こうそく脳梗塞ナウカウ‥ 脳血栓または脳塞栓の結果、脳血管の一部が閉塞し、その支配域の脳実質が壊死えし・軟化に陥る疾患。

のう‐ざしょう【脳挫傷】ナウ‥シヤウ🔗🔉

のう‐ざしょう脳挫傷ナウ‥シヤウ 脳組織の挫傷。損傷部位に応じた脳神経症状、脳圧亢進、脳脊髄液への出血などを生じ、しばしば後遺症を残す。

のう‐し【脳死】ナウ‥🔗🔉

のう‐し脳死ナウ‥ 脳幹を含めた脳全体のすべての機能が非可逆的に停止した状態。臓器移植などの医療技術の進歩に伴って問題化。脳死を即個体の死と見なし得るか否かについて、日本では意見が完全には一致していない。 ⇒のうし‐いしょく【脳死移植】

のうし‐いしょく【脳死移植】ナウ‥🔗🔉

のうし‐いしょく脳死移植ナウ‥ 脳死下で摘出した臓器を用いて行う移植。心臓・肝臓などでは、心停止前に取り出した臓器が必要なため、臓器移植法の下で、脳死判定基準に準拠して行われる。 ⇒のう‐し【脳死】

のう‐しつ【脳室】ナウ‥🔗🔉

のう‐しつ脳室ナウ‥ 脊椎動物の脳の内部にある腔所。間脳の内腔は第三脳室、左右終脳の内腔は側脳室と呼ばれ、中脳では中脳水道、後脳では第四脳室となって下方で脊髄の中心管に連なる。中に脳脊髄液を満たす。

のう‐しゅっけつ【脳出血】ナウ‥🔗🔉

のう‐しゅっけつ脳出血ナウ‥ 脳の血管が破綻して出血し、脳組織の圧迫・破壊を来す疾患。高血圧・動脈硬化によるものが最も多い。発作的に起こり、頭痛・意識消失・悪心・嘔吐・痙攣けいれんなどを来し、出血部位により種々の神経症状を呈する。予後は出血の部位・大きさにより異なるが、しばしば半身不随などの後遺症を残す。脳溢血。→脳卒中

のう‐しゅよう【脳腫瘍】ナウ‥ヤウ🔗🔉

のう‐しゅよう脳腫瘍ナウ‥ヤウ 脳および脳膜に発生する腫瘍の総称。頭痛・嘔吐・めまい・痙攣けいれん・麻痺まひ・視力障害などの症状のほか、腫瘍の種類・部位により特有の神経症状を現す。

のう‐しょう【脳症】ナウシヤウ🔗🔉

のう‐しょう脳症ナウシヤウ 代謝疾患・膠原こうげん病・薬剤などが原因で起こる意識障害などの病状。

のう‐しょう【脳漿】ナウシヤウ🔗🔉

のう‐しょう脳漿ナウシヤウ 脳の外側や脳室内にある液体。 ⇒脳漿を絞る

○脳漿を絞るのうしょうをしぼる🔗🔉

○脳漿を絞るのうしょうをしぼる あらん限りの知恵を尽くして考える。知恵を絞る。 ⇒のう‐しょう【脳漿】

のう‐しんけい【脳神経】ナウ‥🔗🔉

のう‐しんけい脳神経ナウ‥ 脳から出る末梢神経。嗅神経・視神経・動眼神経・滑車神経・三叉神経・外転神経・顔面神経・内耳神経・舌咽神経・迷走神経・副神経・舌下神経の12対がある。主に頭部に分布するが、迷走神経は胸腹部の内臓に分布する。運動・感覚・副交感の神経線維を含む。 ⇒のうしんけい‐せつ【脳神経節】

のうしんけい‐せつ【脳神経節】ナウ‥🔗🔉

のうしんけい‐せつ脳神経節ナウ‥ 動物、特に昆虫や軟体動物などの頭部にある神経節。頭神経節。 ⇒のう‐しんけい【脳神経】

のう‐しんとう【脳震盪・脳振盪】ナウ‥タウ🔗🔉

のう‐しんとう脳震盪・脳振盪ナウ‥タウ 頭部打撲・外傷などで脳に衝撃が及んだ時に突発する一時性の脳障害。失神・めまい・耳鳴・頭痛・興奮・逆向性健忘などの症状が起こるが、多くは短時間で回復する。

のう‐ずい【脳髄】ナウ‥🔗🔉

のう‐ずい脳髄ナウ‥ (→)に同じ。

のう‐すいしゅ【脳水腫】ナウ‥🔗🔉

のう‐すいしゅ脳水腫ナウ‥ 蜘蛛膜下腔または脳室内に異常に多量の脳脊髄液がたまり脳実質が圧迫され萎縮する疾患。脳脊髄液の分泌過剰・循環障害または吸収障害によって起き、脳圧の亢進、頭囲の拡大、運動麻痺、視・聴力障害、知能不全などを伴う。先天性と後天性とがある。水頭症。

のうせい‐しょうにまひ【脳性小児麻痺】ナウ‥セウ‥🔗🔉

のうせい‐しょうにまひ脳性小児麻痺ナウ‥セウ‥ (→)小児麻痺2のこと。

のうせい‐まひ【脳性麻痺】ナウ‥🔗🔉

のうせい‐まひ脳性麻痺ナウ‥ (→)小児麻痺2のこと。

のうせきずい‐えき【脳脊髄液】ナウ‥🔗🔉

のうせきずい‐えき脳脊髄液ナウ‥ 脳室・脊髄中心管・蜘蛛膜下腔を満たす無色透明の液体。主として脳室脈絡嚢でつくられ、静脈・静脈洞で吸収される。一定の水圧を保ち脳脊髄保護に役立ち、脳のリンパ液として働く。髄液。 ⇒のう‐せきずい【脳脊髄】

のうせきずい‐しんけい【脳脊髄神経】ナウ‥🔗🔉

のうせきずい‐しんけい脳脊髄神経ナウ‥ 脊椎動物の末梢神経の主要部分を構成する脳神経と脊髄神経との総称。 ⇒のう‐せきずい【脳脊髄】

のうせきずい‐まく【脳脊髄膜】ナウ‥🔗🔉

のうせきずい‐まく脳脊髄膜ナウ‥ 脳と脊髄とを包む膜。3層から成り、外側のものから硬膜・蜘蛛膜・軟膜と呼ぶ。蜘蛛膜と軟膜との間には脳脊髄液を満たしている。髄膜。 ⇒のう‐せきずい【脳脊髄】

のうせきずいまく‐えん【脳脊髄膜炎】ナウ‥🔗🔉

のうせきずいまく‐えん脳脊髄膜炎ナウ‥ 急性の軟膜の炎症。発熱・脳脊髄液圧上昇・頭痛・嘔吐おうと・頸部強直などが現れる。細菌・ウイルス・原虫などによる感染性のものと非感染性のものとがあり、前者のうち流行性のものは髄膜炎双球菌そうきゅうきんによって起こる。このほか、結核性のもの、化膿性のものなどがある。慢性のものは梅毒で見られる。髄膜炎。脳膜炎。 ⇒のう‐せきずい【脳脊髄】

のう‐そくせん【脳塞栓】ナウ‥🔗🔉

のう‐そくせん脳塞栓ナウ‥ 心臓内膜炎・心臓弁膜症などの時に、流血中に遊離した凝血(血栓)の破片が脳血管を閉塞し、その支配域の脳組織を破壊・出血させる疾患。脳栓塞。→脳軟化症

のう‐そっちゅう【脳卒中】ナウ‥🔗🔉

のう‐そっちゅう脳卒中ナウ‥ 脳の急激な血液循環障害による症状。急に意識を失って倒れ、手足の随意運動が不能となる。脳梗塞・脳出血・蜘蛛膜下出血など。

のう‐たりん【脳足りん】ナウ‥🔗🔉

のう‐たりん脳足りんナウ‥ (脳味噌が足りないの意)人をののしる語。馬鹿。阿呆。

のう‐ちゅう【脳中】ナウ‥🔗🔉

のう‐ちゅう脳中ナウ‥ 頭脳の中。脳裏。

のう‐てん【脳天】ナウ‥🔗🔉

のう‐てん脳天ナウ‥ 頭部。また、頭のてっぺん。脳頭。東海道中膝栗毛5「―どやいてこまそかい」。「―から声を出す」

のう‐てんき【能天気・能転気】🔗🔉

のう‐てんき能天気・能転気】 (「脳天気」とも書く)軽薄で向うみずなさま。なまいきなさま。また、物事を深く考えないさま。誹風柳多留62「声色で高座を叩く―」

のう‐とう【脳頭】ナウ‥🔗🔉

のう‐とう脳頭ナウ‥ 頭のてっぺん。脳天。歌舞伎、三十石艠始「桶据おけすえから―まで縮み上る様なわい」

のう‐ドック【脳ドック】ナウ‥🔗🔉

のう‐ドック脳ドックナウ‥ 脳や脳血管疾患の早期発見・予防のため、超音波や磁気共鳴映像法(MRI)などを用いて行う脳の検査。

のうない‐あつ【脳内圧】ナウ‥🔗🔉

のうない‐あつ脳内圧ナウ‥ 頭蓋内の圧力。通常、脳脊髄液の圧力をいい、正常で水銀柱70〜160ミリメートル。脳の腫瘍・炎症、高血圧、尿毒症、頭部外傷、脳水腫などの際に上昇し、頭痛・嘔吐・痙攣・視力障害を伴う。脳圧。頭蓋内圧。

のうなんか‐しょう【脳軟化症】ナウ‥クワシヤウ🔗🔉

のうなんか‐しょう脳軟化症ナウ‥クワシヤウ 脳血管が塞栓または血栓症によって閉塞され、脳組織の一部に出血・壊死えし・融解が起こり、脳出血と類似の症状を呈する疾患。→脳血栓→脳梗塞→脳塞栓

のう‐は【脳波】ナウ‥🔗🔉

のう‐は脳波ナウ‥ (electroencephalogram)脳から自発的に発生する電位変動。頭皮上に電極をおいて誘導・増幅して記録する。精神活動・感覚刺激・意識水準に伴って変動する。脳の機能の判定、疾病などの診断に有用。EEG ⇒のうは‐けい【脳波計】

のう‐ばいどく【脳梅毒・脳黴毒】ナウ‥🔗🔉

のう‐ばいどく脳梅毒・脳黴毒ナウ‥ 脳髄が梅毒に冒されて起こる疾患。2期梅毒では急性脳脊髄膜炎の形をとり、3期梅毒では慢性脳脊髄膜炎・ゴム腫形成・梅毒性血管炎などの型があり、それぞれ脳・神経症状を現す。神経梅毒。

のうは‐けい【脳波計】ナウ‥🔗🔉

のうは‐けい脳波計ナウ‥ 脳波を記録する計器。 ⇒のう‐は【脳波】

のう‐びょう【脳病】ナウビヤウ🔗🔉

のう‐びょう脳病ナウビヤウ 脳の疾患の通称。正岡子規、筆まかせ「一人にて読む書物のなき時は―を起す位故」

のう‐びょういん【脳病院】ナウビヤウヰン🔗🔉

のう‐びょういん脳病院ナウビヤウヰン 精神病院の俗称。

のう‐ひんけつ【脳貧血】ナウ‥🔗🔉

のう‐ひんけつ脳貧血ナウ‥ 種々の原因によって脳の血液量が減少して起こる疾患。顔面蒼白そうはくとなり、冷汗をもよおし、倒れて失神状態となることもある。

のう‐ふしゅ【脳浮腫】ナウ‥🔗🔉

のう‐ふしゅ脳浮腫ナウ‥ 脳組織に水分が増加し、脳の容積が増大した病態。頭部外傷・脳出血・脳梗塞・感染症・腫瘍・薬物中毒等に伴って発生し、頭痛・嘔吐・鬱血乳頭・意識障害・徐脈・呼吸障害・脳ヘルニア等を起こす。脳細胞および脳血管内皮の障害が有力な成因とされる。

のう‐ほう【脳胞】ナウハウ🔗🔉

のう‐ほう脳胞ナウハウ 脊椎動物の初期胚で神経管前端に頭尾方向に並ぶいくつかのふくらみ。はじめ前脳・中脳・後脳(または菱脳りょうのう)の三つからなる。

のう‐まく【脳膜】ナウ‥🔗🔉

のう‐まく脳膜ナウ‥ 脳の表面を包む膜。→脳脊髄膜⇒のうまく‐えん【脳膜炎】

のうまく‐えん【脳膜炎】ナウ‥🔗🔉

のうまく‐えん脳膜炎ナウ‥ (→)脳脊髄膜炎のこと。 ⇒のう‐まく【脳膜】

のう‐みそ【脳味噌】ナウ‥🔗🔉

のう‐みそ脳味噌ナウ‥ 脳髄の俗称。転じて、頭の働き。知力。「―が足りない」 ⇒脳味噌を絞る

○脳味噌を絞るのうみそをしぼる🔗🔉

○脳味噌を絞るのうみそをしぼる ありったけの知恵をめぐらす。知恵を絞る。 ⇒のう‐みそ【脳味噌】

のう‐ゆ【脳油】ナウ‥🔗🔉

のう‐ゆ脳油ナウ‥ マッコウクジラ・ツチクジラ・イルカなどの頭部からとった油。

のう‐り【脳裏・脳裡】ナウ‥🔗🔉

のう‐り脳裏・脳裡ナウ‥ 頭の中。「―をかすめる」「―に浮かぶ」

のう‐りょう【脳梁】ナウリヤウ🔗🔉

のう‐りょう脳梁ナウリヤウ 左右の大脳半球を分ける深い溝の底部にあって左右の大脳皮質を連絡している強大な線維束。人で最もよく発達している。胼胝体べんちたい

のう‐りょく【脳力】ナウ‥🔗🔉

のう‐りょく脳力ナウ‥ 考える力。頭の働き。夏目漱石、彼岸過迄「彼の友の某が、自分の―に悲観して、試験を受けようか学校をやめようかと思ひ煩つてゐる頃」

[漢]脳🔗🔉

 字形  筆順 〔月(月・月)部7画/11画/教育/3930・473E〕

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