さか・る【逆る】🔗⭐🔉振
さか・る【逆る】
〔自四〕
さからう。もとる。神武紀「此れ天道かみのみちに―・れり」
さか・る【盛る】🔗⭐🔉振
さか・る【盛る】
〔自五〕
①勢いがさかんになる。たけなわになる。後撰和歌集春「我がために思はぬ山の音にのみ花―・りゆく春を恨みむ」。「火が燃え―・る」
②獣類が発情する。交尾する。日葡辞書「ネコガサカル」
③繁栄する。繁昌する。「店が―・る」
④流行する。はやる。
さか・る【離る】🔗⭐🔉振
さか・る【離る】
〔自四〕
(一説に、「離さく」の自動詞形)はなれる。へだたる。遠ざかる。万葉集15「やまとをも遠く―・りて」
さが・る【下がる】🔗⭐🔉振
さが・る【下がる】
〔自五〕
➊物の一部が固定されていて他の部分は不安定な状態で下方に垂れる。
①ぶらさがる。つりさがる。万葉集5「風雑まじへ…布肩衣の海松みるのごとわわけ―・れる」。「つららが―・る」
②一方の端または一部が他より低い位置にある。大鏡師尹「御眼の尻の少し―・り給へるがいとどらうたくおはするを」
➋前から後へ位置が変わる。
①後の位置へ行く。すさる。平治物語(金刀比羅本)「少し―・りたらばあやふくぞ見えられける」。「一歩―・った所で見物する」
②あとになる。おくれる。落伍する。平治物語「若者どもは―・りぬるかと宣へば各々これに候と」。平家物語4「―・らうものをば、弓の筈にとりつかせよ」
③きまった時刻よりあとになる。おくれる。時が過ぎる。宇治拾遺物語11「辰の時とこそ催しはありしか、―・るといふ定、午未の時には、渡らんずらんものを」。狂言、鬼の養子「七つ―・れば鬼が出て」。「ぐっと時代が―・る」
④代価の支払いがおくれ、掛になってたまる。誹風柳多留3「桶伏せになるほど今は―・らせず」
➌高い所から低い所へ位置が変わる。
①位置が低いところになる。くだる。おりる。下方へ向く。平家物語4「揚る矢をばつい潜り、―・る矢をば跳り越え」。天草本伊曾保物語「鳥の餌を…下げば、鳥もまた―・るやうに習はせて」。「水位が―・る」「胃が―・る」「あの人には頭が―・る」
②貴人の前から退出する。「御前を―・る」
③(内裏が北にある京都では)南へ行く。(大阪では)大阪城と反対の方へ行く。保元物語(金刀比羅本)「京極を下りに三条まで―・りて」。浮世草子、好色万金丹「阿波座を上へあがり新町を西へ―・る所」
④主家から暇を取り我が家へ帰る。遊女が、楼に登るのに対して家へ帰る。誹風柳多留3「―・る乳母亭主にこにこ櫃をしよい」。洒落本、辰巳婦言「此頃は久しく―・らねえわ」
⑤(4から転じて)勤め先・学校などから帰る。また、そこへ通うのをやめる。浮世風呂前「おいらなんさアお師匠様から―・ると毎日行きまアす」。「学校を―・って働きに出る」
⑥官庁から給与や許可証などが渡される。「営業の許可がやっと―・った」
➍物事の程度などが他に比して低くなる。
①(勢力・声望などが)おとろえる。宇津保物語国譲上「かう―・りてよろづの下衆などにかくまさなく言はるれば」。「人気が―・る」
②(価値・技量などが)低下する。劣る。風姿花伝「もし極めずは、四十より能は―・るべし」。玉塵抄29「左はあがるぞ。右はその次ぞ。―・る心ぞ」。「練習不足で腕が―・った」「成績が―・る」
③(位・階級が)低くなる。「地位が―・る」
④(物価・相場などが)安くなる。日葡辞書「ネガサガル」
⑤(温度などが)低くなる。「熱が―・る」
➎魚・肉などがくさる。日葡辞書「イヲ、また、ニクガサガル」。誹風柳多留19「番町を肴の―・る程尋ね」
➏鷹の死ぬことにいう忌詞いみことば。
広辞苑 ページ 7816。