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蒙古国牒状🔗🔉

蒙古国牒状  上天の眷命せる大蒙古国皇帝、書を日本国王に奉る。朕惟(おも)ふに、古より小国の君は、境土相接すれば尚ほ講信修睦に務む。況んや我が祖宗、天の明命を受け、区夏を奄有す。遐方(かほう)異域の威を畏れ徳に懐(なつ)く者、悉く数ふべからず。朕、即位の初め、高麗の無辜の民の久しく鋒鏑に瘁(つか)るるを以て即ち兵を罷め、其の疆域を還し其の旄倪(ぼうげい)を反らしむ。高麗の君臣、感戴して来朝せり。義は君臣と雖も歓は父子のごとし。計るに王の君臣も亦已にこれを知らん。高麗は朕の東藩なり。日本は高麗に密邇し、開国以来、亦時として中国に通ぜり。朕が躬に至ては、一乗の使の以て和好を通ずる無し。尚ほ王国のこれを知ること未だ審らかならざるを恐れ、故に特に使を遣はし、書を持して朕が志を布告せしむ。冀(こいねがわ)くは、自今以往、問を通じ好を結び、以て相親睦せん。且つ聖人は四海を以て家と為す。相に通交せざるは、豈に一家の理ならん哉。兵を用ひるに至りては、夫れ孰か好む所ならん。王其れこれを図れ。不宣。  至元三年八月日                           伏敵篇  

広辞苑 ページ 24313 での蒙古国牒状単語。