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インターカレーション🔗🔉

インターカレーション [intercalation] 層状物質の層間に電子供与体あるいは電子受容体が電荷移動力によって挿入される現象をいう.層状物質は,一般に層を形成する結合は共有結合が主体で強いが,層間はファン・デル・ワールス力などの弱い力で結合している.そのため,電子供与体や受容体は層を形成する原子団との間に電子の授受を行なって,層間に侵入し,層を押し拡げて一種の*電荷移動錯体が形成される.この化合物を*層間化合物という.挿入は,層状物質に添加する挿入物質の量によって,すべての層がそれらで満たされる第1ステージから,n層おきに入る第nステージまで多種類に及ぶ.

インダクタンス🔗🔉

インダクタンス [英仏 inductance 独 Induktanz, Induktivität 露 индуктивность] 回路の電流の変化に対する誘導起電力の比を表わす定数.誘導係数(coefficient of induction)ともいう.*自己誘導自己インダクタンス(self-inductance)と,相互誘導の相互インダクタンスとの総称であるが,ふつうは前者をさす.単位はヘンリー(H).回路の電流をI,誘導起電力(電圧)をEとすれば,自己インダクタンスLは   L=−E/(dI/dt) で定義される.Iのつくる磁場が回路をつらぬく磁束をΦとすれば,LΦ/Iである.回路の形,大きさと媒質の透磁率μによってきまり,一様な媒質中では,回路の2つの位置ss′にある線要素をdsds′として    が成立する.積分領域は線の太さを考慮しなければならないが,コイルのように巻数の多いものでは,太さをあまり厳密に考える必要はない.磁場の磁気エネルギーをLI²/2に等しいとおいて計算することもできる.また鉄心入りコイルでは,鉄心の磁気抵抗をRm,コイルの巻数をnとして,近似的にLn²/Rmとなる.角周波数ωの正弦波交流に対して,インダクタンスLをもつ回路素子の*インピーダンスである.一般に*リアクタンスをもつ負荷が電流の位相を遅らせる働きをするとき,インダクタンス性をもつ(inductive),または正リアクタンス性をもつという.なお,インダクタンスをもつ回路素子そのものをインダクタンスということもあり,コイル(ソレノイド)はその代表的な例である.

岩波理化学辞典 ページ 361