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耐火物🔗🔉

耐火物 [refractory] 高温度に耐え,化学的に安定な非金属無機物質,またはその製品.ふつうは耐火度SK18(1500℃に相当する)以上の工業用炉材をさす.工業窯炉の構築につごうのよい形状をもつ定形耐火物を耐火れんが,一定の形状をもたず所要の形に施工して用いるものを不定形耐火物という.材質的には酸化物系が普通だが,非酸化物系,酸化物・非酸化物複合系もある.酸化物系耐火れんがには珪石れんが,シャモットれんが,ろう石れんが,高アルミナ質れんが,アルミナれんが,クロムマグネシアれんが,マグネシアれんが,ドロマイトれんがなどがある.非酸化物系には炭化ケイ素れんが,窒化ケイ素れんがなどがある.複合系にはアルミナ炭素れんが,マグネシアカーボンれんがなどがある.不定形耐火物には耐火モルタル,キャスタブル耐火物,プラスチックス耐火物などがある.耐火物の性質としては耐火度,*荷重軟化点*スポーリング,スラグに対する耐食性などが重要である.

ダイカロリー🔗🔉

ダイカロリー [Cal] →カロリー

大環式化合物🔗🔉

大環式化合物 [macrocyclic compound] 大環状構造をもつ有機化合物の総称.炭素のみの環をもつものには15員環ケトンである*ムスコンなどの大員環化合物(→シクロアルカン)がある.窒素,酸素,硫黄などのヘテロ原子が入ったものは,錯体を形成する多座配位子となるので大環状配位子(macrocyclic ligand)ともいう.大環状配位子にはヘテロ原子の種類と環のサイズにより,配位する金属種および酸化状態に選択性がある.酸素原子をもつ*クラウンエーテル類は,アルカリ金属やアルカリ土類金属のイオンを取り込みやすく,窒素をもつポルフィリンやサイクラム(1,4,7,11‐テトラアザシクロテトラデカン)などのアザクラウン(→クラウンエーテル)類は,硬い遷移金属イオンに親和性があり,硫黄を含むチオクラウン類は柔らかい遷移金属イオンに配位しやすい.これらの大環状配位子を合成する際に,金属イオンの*鋳型反応を利用すると好都合である.環状多座配位子の錯体の熱力学的安定度が非環状の類似配位子に比べ大きいこと,また錯体からの金属イオンの解離速度が遅いことを大環状効果(macrocyclic effect)という.

岩波理化学辞典 ページ 2934