ダイアスポア🔗⭐🔉振
ダイアスポア
[diaspore]
Al₂O₃・H₂O,AlO(OH)
→水酸化アルミニウム.
対イオン🔗⭐🔉振
対イオン
[英 counter ion 仏 contre-ion 独 Gegenion 露 контрион]
あるイオンに対して異符号の電荷をもつイオンをいう.イオンの電場は極めて大きいので異符号のイオンどうしが引き合う力は強い.したがってあるひとつのイオンは異符号のイオンに近づくかあるいはそれを引き寄せるかして,電気的に中性になり,安定になろうとする傾向をもつ.たとえば溶液中のコロイドイオンの周囲には,異符号の電荷をもつイオンが対イオンとしてとりまいており,脂肪酸せっけんのミセルはNa⁺を対イオンとしてもつ.
帯域溶融法🔗⭐🔉振
帯域溶融法
[英 zone melting 仏 fusion de zone 独 Zonenschmelzen 露 зонная плавка]
ゾーンメルティング.凝固の際の*偏析を利用して物質の純化(zone refining)あるいは溶質濃度の一様化(zone leveling)を行なう方法.棒状単結晶を得る手段にもなっている.細長いボートに材料を入れ,高周波加熱などによって幅の狭い溶融帯を作り,ゆっくり移動させると,再び凝固した部分の不純物濃度は偏析係数が正の場合(その不純物によって融点が低下する場合),溶融部分よりも下がるから,純化あるいは濃度の制御が可能となる.この方法ではボートから他の不純物が溶けこみ,また仕上がりの形状がボートの形に支配されるので,図のように棒状材料を立てて保持し,表面張力によって支えられた溶融帯を上方に移動させる浮融帯法(floating zone method,FZ法)が多く使われる.これはるつぼからの*結晶引上げ法(CZ法)とともに工業用の高純度シリコン単結晶の製造法となっている.また比較的融点の低い(400℃以下)有機化合物の精製にも利用される.

岩波理化学辞典 ページ 2926。