クラウジウス‐モソッティの関係式🔗⭐🔉振
クラウジウス‐モソッティの関係式
[Clausius-Mossotti relation]
クラウジウスがモソッティ,O.F.の考えに基づき誘導した関係式(1879).誘起双極子モーメントによるモル分極Pを与える次式
P={(ε−1)/(ε+2)}M/ρ=(4πNA/3)α
をいう.εは誘電率,Mは分子量,ρは密度,αは分極率である.分子が永久双極子モーメントμをもつ場合には,相当する式は
P={(ε−1)/(ε+2)}M/ρ=(4πNA/3)(α+μ²/3kBT)
となる.右辺の括弧内の第2項は永久双極子の電場による配向に基づく.この関係はデバイが導いた(1912)ので,デバイの式(Debye's formula)とよばれる.これらの関係は分子の分極率や双極子モーメントを求めるためにしばしば用いられる.
クラウディオン🔗⭐🔉振
クラウディオン
[crowdion]
密集イオン,クラウドアイアンともいう.格子間原子が特定の結晶方向(例えばfccの〈110〉方向)に,本来n個の原子が占めるべきところをn+1個の原子が占める形で緩和して納まっているという模型.実証はされていない.原子衝突過程で衝突の集束(focussing)によりこのような形の1列の置換衝突(replacement collision)も考えられ,動的クラウディオン(dynamic crowdion)とよばれる.
岩波理化学辞典 ページ 1380。