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界面活性剤🔗🔉

界面活性剤 [英 surface-active agent, surfactant 仏 agent tensio-actif 独 oberflächenaktives Mittel 露 поверхностно-активное вещество] 表面活性剤ともいう.水に対して強い*表面活性を示し,溶液内において臨界ミセル濃度以上で*ミセルのような会合体を形成する物質.分子内に親水性の部分と疎水性(親油性)の部分とをあわせもち,その*親水親油バランスによって,水‐油の2相界面に強く吸着されて,界面の自由エネルギー(界面張力)をいちじるしく低下させる作用を示す.疎水基は多くアルキル基などの長鎖炭化水素基であるが,親水基にはイオン性解離基や,ヒドロキシ基などの非イオン性極性基がある.カルボキシ基,スルホ基,硫酸水素基‐OSO₃OHをもつものは,水中で解離して陰イオンとなるので,陰イオン界面活性剤(anionic surfactant)とよばれる.脂肪酸せっけん,アルキルベンゼンスルホン酸塩などが代表的である.これに対し第4級アンモニウム基をもつものは解離して陽イオンとなるので,陽イオン界面活性剤(cationic surfactant)とよばれる.長鎖アルキルアミノ酸のように,同一分子中に陽イオン性と陰イオン性の解離基をあわせもつものもあり,両性界面活性剤(amphoteric surfactant)とよばれる.また非イオン性の極性基をもつものは非イオン界面活性剤(nonionic surfactant)とよばれ,ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどが代表的である.これらの界面活性剤は洗剤として広く用いられるほか,乳化剤,分散剤,起泡剤,消泡剤,消毒剤,帯電防止剤などとして,その用途は多方面にわたり,工業的に多種のものが多量に生産されている.自然界にも界面活性物質が多く存在し,たとえば脂質は生体膜形成など生体内で非常に重要な役割を演じている.

岩波理化学辞典 ページ 794 での界面活性剤単語。