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ミセル🔗🔉

ミセル [英仏 micelle 独 Mizelle 露 мицелла] 界面活性剤など両親媒性物質を水に溶かすと,ある濃度以上で親水基を外に親油基を内に向けて会合する.これをミセルという.この存在はマクベイン(McBain,J.W.)が指摘した(1913).ミセルの形成はある濃度で突然におこり,この*臨界ミセル濃度を境として水溶液の性質は顕著に変化する.ミセルの内部は親油性で油を溶かしこむことができる(*可溶化).通常の界面活性剤が比較的低濃度の条件でつくるミセルは球状ミセルで,数十から百数十分子が集まって直径数十nmの球状に会合する.濃度が高くなると,初め球状ミセルの大きさはそのままで,数が多くなっていくが,さらに濃度が高くなると一段と会合が進み,層状ミセルなど種々の会合状態をとるようになる.ミセルという言葉は,ネーゲリ(Nägeli,K.W.)が,デンプンやセルロースが光学的異方性を示すのは分子が配向した微結晶構造をとるためと考え,この構造をミセルとよんだのがはじめである(1858).その後セルロースなどは低分子の会合体ではなく巨大分子であることが明らかになったが,セルロースの分子鎖が部分的に会合して束をつくり微結晶になるという*房状ミセル構造説が広く受けいれられるようになった.

岩波理化学辞典 ページ 5041 でのミセル単語。