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偏西風🔗🔉

偏西風 [westerly, westerly wind] 中緯度の対流圏を取りまいて西から東に吹く帯状の風.極と赤道間の気温差によって生じる大気大循環の構造の一部である(→大気大循環).地上付近では風速が弱いために感じることができないが,上空にいくに従って風速を増し,圏界面付近で極大になる.偏西風が上空ほど風速を増す程度は南北の温度差に比例しているので,この性質をもつ風を温度風(thermal wind)という.また,偏西風の特に強い部分をジェット気流(jet stream)という.冬季の日本上空では,風速が100m/sを越えることもある.亜寒帯気団の中に形成されるジェット気流を極前線ジェット気流(polar frontal jet stream),亜熱帯気団の北縁に形成されるジェット気流を亜熱帯ジェット気流(subtropical jet stream)と呼ぶ.亜寒帯気団の内部の偏西風は傾圧不安定によって不規則に蛇行し,高低気圧を発生させる(→低気圧).蛇行によって熱を低緯度から高緯度に運ぶので,一種の熱対流とみなすことができる.また,高低気圧の通過に伴って中緯度帯に数日周期の天気変化をもたらす.

岩波理化学辞典 ページ 4760 での偏西風単語。