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フラウンホーファー線🔗🔉

フラウンホーファー線 [Fraunhofer lines] 太陽スペクトルに現われる吸収線.フラウンホーファーによって発見(1814)されたのでこの名がある.光球から放射された連続光がその外の冷たい層を通過する際に,種々の原子やイオンに吸収されて暗線(吸収線)が現われるもので,恒星のスペクトルに共通して生じる.太陽では,H⁻による連続光吸収・放出が光球・彩層ともに起こっており,連続光・吸収線とも各層で形成されると考えられる.現在では数万本の線がみつかっており,地球大気線も含まれる.おもな線には表のような記号が定められており,とくにいちじるしいのは,O₂の地球大気線のB線,HのC線(Hα線ともよばれる),NaのD₁,D₂線,CaのH線,K線などである. 輝線となって現われることもあり,一般に対応するスペクトル線の記号としても用いられている.太陽大気には複雑な磁場による不均一構造が知られており,連続光・吸収線の形成についての理論はさらに発展するとみられる.

岩波理化学辞典 ページ 4453 でのフラウンホーファー線単語。