フェーン
[foehn]
山脈の風上側の斜面で降水により水分を失った空気が風下側に高温で乾燥した風となって吹きおろす現象.おろしの一種.風上側の上空の空気が風下側に吹き下りてくることもある(この場合は風上側で降水がないのにフェーンが生じる).もとはアルプスの地方風の名であったが,一般名として用いられる.日本では,日本海沿岸,山間の盆地などにしばしば高温をもたらす.1933年7月25日に山形の気温が日本の最高記録40.8℃になったのはフェーン現象によるといわれている.風上側の気温が非常に低い場合には,断熱昇温があるにもかかわらず,おろしが吹き出すと気温が低くなることがある.このようなおろしをボラ(bora)という.関東地方の冬の空風(からっかぜ)はボラに分類される.
岩波理化学辞典 ページ 4344 での【フェーン】単語。