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断熱減率🔗🔉

断熱減率 [英 adiabatic lapse rate 仏 gradient adiabatique 独 adiabatischer Temperaturgradient 露 адиабатический градиент температуры] 大気中を空気塊が上昇または下降する際には,空気塊の圧力が常にまわりの気圧となじむために,膨張または圧縮が生じる.この過程はほぼ断熱変化と考えてよい.その過程における単位高度変化当たりの空気塊の温度の変化量(絶対値)を気温の断熱減率という.乾燥空気の場合は,上昇する場合も下降する場合も,断熱減率Γdは下式で表わされ,これを乾燥断熱減率(dry-adiabatic lapse rate)という.   Γd≡g/cp(=9.76℃/km) gは重力加速度,cpは定圧比熱.水蒸気で飽和した空気の場合は,下降する場合はΓdと等しいが,上昇の際には潜熱が解放されて空気塊を加熱するのでΓdより小さくなる.その値は湿潤断熱減率(moist-adiabatic lapse rate)とよばれる.気温と気圧によって変化するが,日本付近では5℃/km程度である. ⇒断熱不安定

岩波理化学辞典 ページ 3089 での断熱減率単語。