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大気の熱経済🔗🔉

大気の熱経済 [thermal economy of the atmosphere] 大気の熱収支ともいう.地球と外界(宇宙)との間の熱の出入の内訳.地球大気の外側に降り注ぐ太陽放射(日射)量のうち30%は反射される(反射の内訳は,雲20%,空気6%,地表面4%).残り70%は大気圏内に入り,物質に吸収されて熱に変化する(吸収物質の内訳は地表面51%,空気中の微量物質16%,雲3%).地表面に吸収された熱は,水の蒸発に伴う蒸発熱(23%),熱伝導(7%),熱放射(21%)の形で空気を加熱する.ただし,熱放射のうち6%は大気を素通りして外界に逃げる.したがって,残り45%と大気に直接吸収された19%の合計が大気の加熱に使われることになる.この合計64%は熱放射となって大気から外界に逃げる.このようにして平均的な熱平衡が成り立っている.

岩波理化学辞典 ページ 2943 での大気の熱経済単語。