大気イオン
[atmospheric ions]
大気中に存在するイオン.大きさまたは易動度によって,小イオン・中イオン・大イオンなどに分類する.電子を陰イオンに含めることも多い.小イオンは分子1個程度からなり,地表に近い空気中の数は600〜700個/cm³程度で,陽イオンのほうがやや多い.中イオンは分子が1000個くらい,大イオンは数万個程度集まったものである.大イオンはランジュヴァン・イオンともよばれ,電荷をもたない中性核とともに凝結核のはたらきをする.煤煙や塵埃の多い大都会に多く,1cm³の中に数万個ある.大イオンがこのように多くなると,小イオンはずっと減って100個以下となる.大気の電気伝導率にはイオン数と同時に易動度も関係し,小イオンの多いほうが伝導率は大きい.大気イオンは放射線その他各種の原因による電離で生成される.
岩波理化学辞典 ページ 2937 での【大気イオン】単語。