絶対渦度🔗⭐🔉振
絶対渦度
[absolute vorticity]
鉛直軸のまわりに一定の角速度Ωで回転する容器内にある流体の運動において,容器に相対的な流速をvとするとき,慣性系から見た*渦度の鉛直成分は次式で与えられる.
2Ω+k・▽×v(kは鉛直方向の単位ベクトル).
2Ωを惑星渦度(planetary vorticity),k・▽×vを相対渦度(relative vorticity)というのに対し,両者の和を絶対渦度という.大気や海洋など球面をおおう流体の場合は,2Ωのかわりに2Ωsin
を用いる.Ωは惑星の自転角速度,
は緯度.2Ωsin
をコリオリ因子とよび,普通fで表わす(→コリオリ力).fを惑星渦度とよぶこともある.摩擦や外的なトルクのはたらかない水平流においては,絶対渦度が保存される.これを絶対渦度保存則という.大気や海洋は自転する地球上にあるので,流れの力学を論じる場合には相対渦度を用いることが多い.



岩波理化学辞典 ページ 2774 での【絶対渦度】単語。