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石炭🔗🔉

石炭 [英 coal, mineral coal 仏 houille, charbon 独 Steinkohle, Kohle 露 каменный уголь, уголь] 太古の植物が水底または土砂中に埋没し,天然の炭化作用を受けたもの.日本の石炭は主として新生代第三紀に繁茂した顕花植物(針葉樹,広葉樹)から,欧米・中国のそれは古生代,中生代の隠花植物(鱗木,封印木)からできている.石炭はその炭化度(無水無灰ベースで表示)により,泥炭(〜60%),亜炭(〜70%),褐炭(70〜78%),歴青炭(非粘結炭78〜80%,弱粘炭80〜83%,粘着炭83〜85%,強粘炭85〜90%),無煙炭(90%〜)に分類される.またこのほかにも粘結性の有無,揮発分と水分の含有量,発熱量などによって分類することもある.石炭は天然高分子物質と考えられ,その平均的構造単位は縮合度の異なる多環芳香族の構造部分,鎖状および環状脂肪族の構造部分が主になり,これらの構造部分が直接または含酸素基などを介して互いに結合した構造をとっている.石炭は燃料として用いられるほか,乾留によって得られるガスは都市ガスや合成化学原料に用いられる.タールからは,ナフタレン,アントラセンなどのタール製品が得られる.コークスは燃料のほか,合成化学原料としても使用される.また石炭の液化,ガス化によって得られるものも,燃料や合成化学原料として有用である.1950年頃までは重要な合成化学原料であったが,石油化学の隆盛とともに石炭の化学原料としての価値は低下した.しかし近年石油資源の枯渇が叫ばれるようになってから,再びその存在が注目を浴びるようになり,石炭のガス化や液化の研究,またそれによって得られるものを原料とする化学反応の開発が精力的に進められている.

岩波理化学辞典 ページ 2747 での石炭単語。