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イオン重合🔗🔉

イオン重合 [英 ionic polymerization 仏 polymérisation ionique 独 ionische Polymerisation 露 ионная полимеризация] 反応の成長末端がイオンであるような*付加重合をいう.ラジカル重合と対比される.イオンの種類によってカチオン重合(cationic polymerization)とアニオン重合(anionic polymerization)とに分けられる.イオン重合では,たとえばアニオン重合の場合(カチオン重合では+,−が逆)    のように成長末端は低誘電率の溶媒中でイオン対を形成するため,成長末端への単量体の付加が対イオンA(触媒)の存在で立体的な制御をうけ,*立体特異性重合がおこりやすい.高誘電率の溶媒中では,成長末端は遊離イオンとして存在し,重合速度や分子量は増大するが,触媒の立体的効果は小さくなる.カチオン重合の開始剤としては,硫酸のようなプロトン酸,あるいはBF₃,AlCl₃,TiCl₄などのルイス酸が用いられるが,これらは多くの場合,水,エーテル,ハロゲン化物との組合せで活性種を形成する.カチオン重合はビニルエーテルやイソブテンなどの重合に好都合である.アニオン重合ではアルカリ金属や塩基性の強い有機金属化合物が開始剤となる.スチレンやジエンなどの炭化水素モノマーの重合では,成長中のカルボアニオンが安定で,モノマーが消費された後も失活しないで生きつづけている.これをリビングポリマー(→リビング重合)とよぶ.シアノアクリル酸エステルは少量の水によってアニオン重合をおこす.瞬間接着剤はこの原理を利用している.なお,開環重合もほとんどの場合イオン重合機構で進行する.

岩波理化学辞典 ページ 251 でのイオン重合単語。