酸性雨🔗⭐🔉振
酸性雨
[acid rain]
雨水のpHが5.5以下の雨のこと.pHが5.5から7までの雨も酸性であるが酸性雨とはいわない.それは,大気中の二酸化炭素が雨水にとけ込むので,自然の状態でもpHが5.5程度になるからである.pHが5.5以下になるのは,大気中に存在する硫酸や硝酸の吸湿性エアロゾルが核となって雲粒が成長したか,雨粒の中に,二酸化硫黄,二酸化窒素などの気体が取り込まれたためである.これらの物質は人為起源のものだから酸性雨は*大気汚染の一種である.ヨーロッパやカナダでは針葉樹林や湖の生態系に被害が発生し,大きな社会問題になった.日本では雨水の平均のpHは4.7程度であるが,pH2.5の雨が観測されたこともある.
岩波理化学辞典 ページ 2026 での【酸性雨】単語。