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酸化ケイ素🔗🔉

酸化ケイ素 [silicon oxide] [1]一酸化ケイ素(silicon monoxide).SiO.褐色の無定形固体.融点は1730℃,沸点は1880℃.絶縁体.モース硬さは7.空気中300℃以上でSiO₂となる.酸素を断った状態では800℃以上でSiとSiO₂とに不均化する.特殊な条件でケイ素化合物を分解すると立方晶系結晶SiOが得られる.熱アルカリに溶解して水素を発生し,ケイ酸塩を作る.研摩材あるいはガラスのコーティング剤などに用いる. [2]二酸化ケイ素(silicon dioxide).SiO₂.無水ケイ酸(silicic (acid) anhydride)ともいう.旧称シリカ(silica).多くの多形が見出される.代表的なものは,低温型の*石英(三方晶系),高温型石英(六方晶系,いわゆる水晶),*トリディマイト(斜方晶系,六方晶系),*クリストバル石(正方晶系,立方晶系)のほか,高圧変態としてコーサイト(coesite,単斜晶系),*スティショフ石(正方晶系,ルチル構造)などがある.また非晶質の石英ガラスのほかコロイド状のシリカゲル,水熱条件下でつくられるキタイト(シリカKともいう.正方晶系),SiOの酸化によるシロキサン鎖をもつ繊維状シリカWなどがある.これらはいずれも無色であるが,不純物あるいは放射線照射により着色する.低温型石英→高温型石英への転移点は573℃,また高温型石英→トリディマイトは870℃,トリディマイト→クリストバル石は1470℃,クリストバル石の融点は1730℃である.SiO₂の融液を固化すると石英ガラスとなり,結晶は得られない.これらの転移点は圧力,微量不純物,結晶不完全性などによって影響を受ける.高温型石英とコーサイトの転移は1300℃で3万atm,コーサイトとスティショフ石は10万atm以上で転移する.SiO₂の構造はSiを中心としたSiO₄4面体の3次元的配列によって理解することができ,石英ガラスはこの配列が不規則となった状態である.高圧変態ではSiO₄構造はくずれている(→スティショフ石).SiO₂は水,酸にはほとんど溶けないが,熱アルカリ,フッ化水素酸には溶解する.絶縁体であり,比誘電率は4と小さい.これを利用して石英ガラスを絶縁材料として用いる.また高温型石英の結晶は温度係数の小さなピエゾ効果をもつことから,各種ピエゾ素子として大量に使用されている.

岩波理化学辞典 ページ 1975 での酸化ケイ素単語。