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再結合🔗🔉

再結合 [英 recombination 仏 recombinaison 独 Rekombination 露 рекомбинация] 分離していた1対の粒子が,結合して安定な粒子に戻る現象. [1]陽(正)イオンに電子が結合して中性粒子または価数の低い陽イオンになる過程をいう.再結合が起こるためには,結合で余ったエネルギーを何らかの形で放出する必要がある.光など電磁波の形で放出するとき,この過程を*放射性再結合という.粒子濃度が高ければ,近くにいる別の粒子がエネルギーを持ち去ることができる.この場合を*3体再結合という.イオンが分子の場合には,結合後に分子が解離することによって,エネルギーを放出することができる.これを*解離性再結合という.プラズマ中のイオンや電子は互いに衝突したり電磁波を放出・吸収したりして,再結合・電離・励起などを繰り返しており,これら全過程の組合せの結果として,正味の再結合過程が決まる.これを衝突放射再結合という.陽(正)イオンと陰(負)イオンとの衝突で中性粒子が生成される場合も再結合(イオン‐イオン再結合)といわれることがある.  また,解離した原子が分子に戻ることも再結合という.主として3体衝突による.例えば,酸素分子が上空で解離した後,高度100km程度より下でO+O+M→O₂+Mのように再結合して分子に戻る(Mは他の分子).このような3体反応では余分のエネルギーは終状態の分子間の運動エネルギーになるほか,一方または両方の励起エネルギーに使われることもある. [2]半導体に光を照射することにより生成された電子と正孔の対は,再結合して消失する.再結合には帯間遷移を伴うもの,*オージェ効果を伴うもの,不純物や格子欠陥など禁止帯内の局在準位にある電子(または正孔)が近くにある正孔(または電子)と結合することによるものなどがある.帯間遷移には放射を伴うものと非放射性のものとがある.非放射性の場合には再結合に伴って発生するエネルギーは熱として散逸する.再結合を促進させる不純物や格子欠陥は再結合中心(recombination center)とよばれる.また超伝導体中に励起された*準粒子が再結合すると超伝導電子対が形成され,同時に超伝導エネルギーギャップに相当するエネルギーをもつフォノンが発生する(→表面再結合).

岩波理化学辞典 ページ 1874 での再結合単語。