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コンドライト🔗🔉

コンドライト [chondrite] 最も普通な隕石.その成因には不明な所が多い.コンドリュール(chondrule)とよばれる融点以上の温度から急冷されたケイ酸塩鉱物(主にかんらん石と輝石)から成る球状の物体(直径2〜10mm)の集積体のすき間を,微細な低温起源のケイ酸鉱物(通常は炭素の存在のため黒い)が埋めつくしている.この部分をマトリックス(matrix)という.2次的な熱変成の結果,Fe-Ni合金相とトロイライト(FeS)相が次第に優勢になり,かつコンドリュールとマトリックスの境界が不鮮明になる.  コンドライトの分類は,van SchumusとWood,J.A.(1967)の提唱による方式がひろく用いられている.これはFeの酸化還元状態によるE,H,L,LL,Cの5種のグループへの分類と,上記の熱変成の程度(弱い1から強い6まで)を併用するもので,たとえばE3コンドライトのようによぶ.  最も始原的かつ酸化的な炭素質コンドライト(carbonaceous chondriteC-chondrite)では,FeはFe²⁺としてケイ酸塩相に存在するだけでなく,Fe³⁺として磁鉄鉱(magnetite,Fe₃O₄)をも作っている.逆に最も還元的なエンスタタイトコンドライト(enstatite chondriteE-chondrite)では,Feはケイ酸塩中には存在せず,Fe-Ni合金とトロイライト中に集まり,その結果,ケイ酸塩は宇宙存在度を反映してエンスタタイト(MgSiO₃)だけになる.これらの中間に位置するH,L,LLコンドライトは,最もありふれたもので,そのため普通コンドライト(ordinary chondriteO-chondrite)とよばれる.  コンドライトの非揮発性元素の組成は,太陽系に固有の組成をよく保っているので,1960年代に,地球の全体の(不揮発性元素を除く)化学組成がコンドライトのそれに等しいとするコンドライト地球モデル(chondrite earth model)が提案された.現在,厳密なコンドライト地球モデルは捨てられてはいるが,地球化学的議論においてコンドライトが基準物質として占める地位は失っていない.  C1コンドライトの化学組成は,H,希ガス,C,N,O,Sなどを別にすれば,主成分から微量成分元素まで太陽大気の元素存在度と一致しているので,太陽系物質中で最も始原的で未分化な物質と考えられている.C1,C2コンドライトには多量の有機化合物が存在し,地球外での有機化合物の合成を示している.Cコンドライトからは,酸素をはじめいくつかの元素で同位体組成の異常が見つかり,太陽系の形成時に複数の超新星爆発の寄与があったことを示している.  なお,C1コンドライトはコンドリュールを含まない.この隕石のコンドライトへの帰属は,化学組成に基づいてなされた.

岩波理化学辞典 ページ 1859 でのコンドライト単語。