クラウンエーテル🔗⭐🔉振
クラウンエーテル
[英 crown ether 仏 éther couronné 独 Kronenäther 露 краун эфир]
環状のポリエーテルであって,電子供与性の酸素により環全体が多座配位子となり,金属イオンや有機陽イオンを環の空孔内に取り込む機能をもつものの総称.たとえば,18‐クラウン‐6は18員環にエーテル酸素6個を含み,その空孔内にK⁺イオンを他の金属イオンにくらべて特異的な親和性で配位して王冠型錯体を生成する(図.X⁻はハロゲン化物イオン).
このイオン‐双極子配位錯体生成によりアルカリ金属塩の脂溶性を増大し有機溶媒にとけやすくする.なお,NやSなどの電子供与性原子を環構成員としてもつものも同様の機能をもち,Nのものはアザクラウン(azacrown),Sのものはチアクラウン(thiacrown)などとよばれる.
⇒クリプタンド,
⇒イオノフォア.

岩波理化学辞典 ページ 1381 での【クラウンエーテル】単語。