複数辞典一括検索+

季節風🔗🔉

季節風 [monsoon] モンスーン.季節によって風向が逆転する風.大陸の地表面温度の季節変化の振幅が海面水温の季節変化の振幅より大きいために大陸・海洋間で気温の差が生じ,冬季には大陸から海洋上に,夏季には海洋上から大陸に向けて吹く季節風が生じる.一般に大陸が海に面した地域で季節風が発生するが,ユーラシア大陸の南部で特に顕著である.インドの季節風をインド・モンスーン,東南アジアや東アジアの季節風をアジア・モンスーンという.熱帯域では,季節風によって*熱帯収束帯の位置が南北に移動するため,季節風によって雨期が生じる.そのため,モンスーンという言葉は雨期の代名詞として使われる.インドでは,夏季にインド洋から吹く季節風がヒマラヤ山塊に吹きつけて多量の雨をもたらすと同時に,そのときに大気中で解放される潜熱が大気を加熱し,対流圏上空を吹く偏西風に影響を与える.その影響は日本の梅雨にも及ぶ.日本もアジア・モンスーン地帯にある.特に,冬季の北西季節風は日本の冬季の気候を特徴づけている.日本の夏季の季節風は海陸風などの局地風が重なるので目立たない.

岩波理化学辞典 ページ 1132 での季節風単語。