【列子】レッシ🔗⭐🔉振
【列子】レッシ
《人名》
戦国時代の学者。姓名は列禦寇(レツキ゛ョコウ)。事跡は明らかではないが『列子』を著したといわれる。
《書名》八巻。戦国時代の列禦寇(レツキ゛ョコウ)の作と伝えられる。成立年代不詳。道家(老子・荘子を中心とする学派)の書。ただし今本の大部分は、魏晋(キ゛シン)時代の道家の作とみるのが妥当であろう。その中心思想は天瑞・黄帝の二編に見られ、『老子』を受け継いだものである。たとえば、宇宙観としては、万物の始めを「太易(タイエキ)」と呼ぶが、「太易」は気と形と質の三つが渾然(コンセ゛ン)一体をなしている実在で、「視れども見えず、聴けども聞こえず、故に易と呼ぶ」とあり、『老子』の「道」の代わりになっている。また処世観としても、「虚を貴ぶ」ことを中心としているが、その本質は智巧を離れること、是非利害の念を離れること、とされている。もっとも、徹底した快楽主義者・利己主義者と称せられた楊朱(ヨウシュ)の説を伝えている楊朱・力命の二編が、別の意味では評価されている。内容はほとんど寓言で語られており、「杞憂(キュウ)」「朝三暮四」など、人々に知られたことばが多い。
学研漢和大字典 ページ 692 での【列子】単語。