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【荘子】ソウシ・ソウシ゛🔗🔉

【荘子】ソウシ・ソウシ゛ 《人名》 戦国時代の思想家。(ソウ)の(モウ)(河南省商丘市)の人。名は、字(アサ゛ナ)は子休。代以後南華(ナンカ)真人とも呼ばれた。はじめ漆園の小吏、のち仕官せず、人間の欲望をすてて、無為自然な態度で、自然の変化に応じて生きるべきだと主張して、儒家の思想に反対した。著に『荘子』がある。→「畏犠(イキ゛)」・「鼓盆而歌(ホ゛ンヲコシテウタウ)」・「胡蝶之夢(コチョウノユメ)」 《書名》一〇巻、三三編。戦国時代の荘周の著作と伝えられる。成立年代不詳。『老子』の思想を継いで、道家思想を完成した書。最も重要なのは逍遥遊・斉物論の二編で、斉物論では『老子』の中心思想である「道」の概念を継承・発展させた宇宙観・世界観を説き、逍遥遊ではその「道」を体得した「至人」「真人」がどんなに自由な生活を送ることができるかを、豊富なたとえ話を引きながら描写している。『荘子』によれば、「道」はいっさいの差別・対立・是非を超越・包括しつくしたもので、これを知ることは普通の分別的知識ではできず、人知を離れた天然自然の理に従わねばならない。つまり、自我を捨て、功名を求めようとする心を放棄してしまえば、万物に順応して天地に遊ぶことができる。もし、功名に身をたくせば身は功名とともに滅ぶ。功名を求めず世間の用に役立たないでこそ、かえって身をまっとうすることができる。これこそは「無用の用」なのである。基本的には『老子』の思想を継承したものだが、人間が自己の知性にふりまわされるむなしさ・かなしさを鋭く描き出して、人生における安心立命についてのより一歩進んだ境地(「無何有の郷」など)を提供した。日本では、江戸時代以後、『老子』の研究が深まるのと並行して『荘子』の研究も進められたが、本格的な研究としては、明治以後の研究者によるものが多い。『南華真経(ナンケ゛シンキ゛ョウ)』ともいう。

学研漢和大字典 ページ 5775 での荘子単語。