すり【刷(り)・摺り】🔗⭐🔉振
すり [2] 【刷(り)・摺り】
(1)印刷すること。また,印刷の具合。《刷》「―の悪い本」
(2)(多く「ずり」の形で)書籍などで,同じ版から印刷された刷り数を表したもの。また,その本。さつ。奥付に表示する。《刷》「第二版第五―」
(3)草木の汁で布に文様を染めつけること。《摺》「次次のは朽葉・香重ね,いろいろの―の大海の裳なり/宇津保(楼上・上)」
すりあげ-しょうじ【摺り上げ障子】🔗⭐🔉振
すりあげ-しょうじ ―シヤウジ [5] 【摺り上げ障子】
猫間障子の一。障子の下部にはめ込んだ小障子が上下し,外が見えるようにしたもの。普通外側にガラスを入れる。雪見障子。摺り上げ猫間。
すり-あし【摺り足】🔗⭐🔉振
すり-あし [0][2] 【摺り足】
かかとを上げず,足の裏全体で地面や床をするようにして歩くこと。また,その歩き方。「―で歩く」
すり-あわせ【摺り合(わ)せ・擦り合(わ)せ】🔗⭐🔉振
すり-あわせ ―アハセ [0] 【摺り合(わ)せ・擦り合(わ)せ】
(1)機械部品の仕上げを行う場合に,部品表面が正しい均一面をもつように精密に仕上げていく作業。「―定盤(ジヨウバン)」
(2)交渉事などで,それぞれの情報などを出しあって調整し,妥協点を見いだしてゆくこと。
すり-あわ・せる【摺り合(わ)せる・擦り合(わ)せる】🔗⭐🔉振
すり-あわ・せる ―アハセル [0][5] 【摺り合(わ)せる・擦り合(わ)せる】 (動サ下一)[文]サ下二 すりあは・す
(1)二つのものをこすりあわせる。「前足を―・せる蠅」
(2)二つの物事をつきあわせて調整する。「もう少し両者の見解を―・せる必要がある」
すり-うるし【摺り漆】🔗⭐🔉振
すり-うるし [3] 【摺り漆】
木地が透けて見える程度に漆を薄く塗る技法。木目の美しさを引き出す。拭き漆。
すり-え【摺り絵】🔗⭐🔉振
すり-え ―ヱ [2][0] 【摺り絵】
木あるいは紙の型を用い,草木の汁をすりつけて染めた模様。
すり-がい【摺り貝】🔗⭐🔉振
すり-がい ―ガヒ [2] 【摺り貝】
⇒螺鈿(ラデン)
すり-かたぎ【摺り形木】🔗⭐🔉振
すり-かたぎ 【摺り形木】
「版木(ハンギ)」に同じ。「禿果てし文字がたもなき―/東北院職人歌合」
すり-がね【摺鉦】🔗⭐🔉振
すり-がね [2][0] 【摺鉦】
下座(ゲザ)音楽・祭礼の囃子(ハヤシ)・念仏踊りなどで用いる,金属製の皿形の打楽器。直径10センチメートルほどで,つかみ鉦と下げ鉦があり,槌(ツチ)形の桴(バチ)で打ち,また,すり鳴らす。当たり鉦。ちゃんちき。
すり-かりぎぬ【摺狩衣】🔗⭐🔉振
すり-かりぎぬ [3] 【摺狩衣】
摺り染めにした狩衣。多く野遊びに用いた。
すり-ぎぬ【摺り衣】🔗⭐🔉振
すり-ぎぬ 【摺り衣】
「すりごろも(摺衣)」に同じ。「火をともしたるものは―を着たり/著聞 17」
すり-こそで【摺り小袖】🔗⭐🔉振
すり-こそで [3] 【摺り小袖】
摺り模様の小袖。
すり-こみ【摺り込み】🔗⭐🔉振
すり-こみ [0] 【摺り込み】
染料をすりこむこと。
すりこみ-ぞめ【摺り込み染(め)】🔗⭐🔉振
すりこみ-ぞめ [0] 【摺り込み染(め)】
捺染(ナツセン)の一。布の表面に型を置き,染料を含ませた刷毛(ハケ)で種々の色を摺り込んで模様を染め出すもの。すりぞめ。
すり-こ・む【擦(り)込む・摩り込む・摺り込む】🔗⭐🔉振
すり-こ・む [3][0] 【擦(り)込む・摩り込む・摺り込む】 (動マ五[四])
(1)こすってしみこませる。「クリームを―・む」
(2)すりつぶして混ぜ入れる。「山芋を―・む」
(3)人にとり入る。「教授に―・み身分ある人に電信求めて/思出の記(蘆花)」
[可能] すりこめる
すり-ごろも【摺り衣】🔗⭐🔉振
すり-ごろも 【摺り衣】
白地に山藍(ヤマアイ)・月草などの汁で文様を摺り染めにした衣服。「―着(ケ)りと夢に見つ現(ウツツ)にはいづれの人の言か繁けむ/万葉 2621」
すり-し【摺り師】🔗⭐🔉振
すり-し [2] 【摺り師】
(1)木版を摺る職人。
(2)草木の汁で布に文様を染めつける職人。
すり-ぞめ【摺り染(め)】🔗⭐🔉振
すり-ぞめ [0] 【摺り染(め)】
(1)草木の花や葉を置き,上からたたいてその形を布に染めつけたり,花の汁をすりつけて染める染め方。
(2)「摺り込み染め」に同じ。
すり-だし【磨り出し・摺り出し】🔗⭐🔉振
すり-だし [0] 【磨り出し・摺り出し】
(1)すりだすこと。また,すりだしたもの。
(2)マッチのこと。
(3)刀剣の茎(ナカゴ)の上部のやすりのすりはじめの部分。
すり-つけぎ【摺り付け木】🔗⭐🔉振
すり-つけぎ [4] 【摺り付け木】
〔明治期の語〕
マッチのこと。早付け木。
すり-つ・ける【擦(り)付ける・摺り付ける】🔗⭐🔉振
すり-つ・ける [4][0] 【擦(り)付ける・摺り付ける】 (動カ下一)[文]カ下二 すりつ・く
(1)こするようにつける。こすりつける。「犬が鼻を―・ける」
(2)(マッチなどを)すって火をつける。「葉莨(シガー)を出して燐寸(マツチ)を―・けた/社会百面相(魯庵)」
すり-つづみ【摺鼓・揩鼓】🔗⭐🔉振
すり-つづみ [3] 【摺鼓・揩鼓】
雅楽の古楽器。二枚の革面を革ひもで締めた鼓。革面をすり,または打つ。鎌倉期頃までは舞楽の左方に用いられた。揩鼓(カイコ)。
すり-ばかま【摺袴】🔗⭐🔉振
すり-ばかま [3] 【摺袴】
山藍(ヤマアイ)・月草などで摺り染めにした袴。神事の際や祭りの舞人が用いる。
すり-はく【摺箔】🔗⭐🔉振
すり-はく [0] 【摺箔】
(1)金箔・銀箔を布に貼りつけること。型の上に糊をおき,その上に箔をのせて軽く押さえ,乾いたあと余分の箔を払って模様を表す。
(2)能装束の一。平絹に摺箔を用いた女役の小袖。
すりはり-とうげ【摺針峠・磨針峠】🔗⭐🔉振
すりはり-とうげ ―タウゲ 【摺針峠・磨針峠】
滋賀県彦根市北部にある峠。旧中山道の鳥居本(トリイモト)宿の北東にあった難所。154メートル。摺針山。
すり-び【擦(り)火・摺り火】🔗⭐🔉振
すり-び [2] 【擦(り)火・摺り火】
火打ち石を火打ち金ですって出す火。切り火。打ち火。
すり-ぼとけ【摺り仏】🔗⭐🔉振
すり-ぼとけ [3] 【摺り仏】
仏・菩薩などの像を板に彫り,紙や布にすり写したもの。平安末期から流行。
すり-ほん【刷(り)本・摺り本】🔗⭐🔉振
すり-ほん [0] 【刷(り)本・摺り本】
(1)版木で刷った書物。版本。
(2)印刷が終わって,製本工程に入る前の紙。
すり-も【摺裳】🔗⭐🔉振
すり-も [2] 【摺裳】
種々の模様をすり置いた裳。女御・女房の正装用。
すり-もどろか・す【摺り斑かす】🔗⭐🔉振
すり-もどろか・す 【摺り斑かす】 (動サ四)
まだら模様に摺り染めにする。「―・したる水干/枕草子 119」
すり-もの【刷(り)物・摺り物】🔗⭐🔉振
すり-もの [2] 【刷(り)物・摺り物】
版木を用いて刷ったもの。また,一般に,印刷物。
すりもの-え【摺り物絵】🔗⭐🔉振
すりもの-え ―ヱ [4] 【摺り物絵】
江戸時代,狂歌・発句などに絵をそえて一枚ずりにした版画。
す・る【刷る・摺る】🔗⭐🔉振
す・る [1] 【刷る・摺る】 (動ラ五[四])
〔「する(擦・摩)」と同源〕
(1)印刷する。《刷》「新聞を―・る」「輪転機で―・る」
(2)版木などに墨や絵の具などをつけ,紙などに当て,こすって写し取る。「版画を―・る」
(3)植物や染料を布にこすり付けて模様を染め出す。《摺》「月草に衣は―・らむ/古今(秋上)」
[可能] すれる
する-すみ【摺墨・磨墨】🔗⭐🔉振
する-すみ 【摺墨・磨墨】
(1)〔摺って用いることから〕
墨。墨汁(ボクジユウ)。「―も落つる涙に洗はれて恋しきだにもえこそ書かれね/金葉(恋下)」
(2)源頼朝より賜り,宇治川の先陣争いで,梶原景季の乗った名馬の名。佐々木高綱の生唼(イケズキ)と争った。
→生唼
すりくだく【摺り砕く】(和英)🔗⭐🔉振
すりくだく【摺り砕く】
grind down;bray;→英和
rub into powder.
する【摺る】(和英)🔗⭐🔉振
大辞林に「摺」で始まるの検索結果 1-37。