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胆石[タンセキ]🔗🔉

胆石[タンセキ] 【英】gall stone →混合結石

胆石症[タンセキショウ]🔗🔉

胆石症[タンセキショウ] 【英】gallstone disease, cholelithiasis 【独】Gallensteinkrankheit, Cholelithiasis 【仏】chollithiase 【ラ】cholelithiasis 〔発生〕 胆道にみられる結石を胆石と称する.肝内胆管,肝外胆管および胆嚢内に発生する.わが国では無症状に経過した剖検例で5〜10%にみられるが,欧米では15%以上にも達している.発生の機構については胆嚢内結石として頻度の高いコレステロール系石cholesterol stoneの生成についてとくに胆嚢胆汁の生化学的研究が進められている.コレステロールは胆汁中胆汁酸およびレシチンの混合ミセルに溶存されており,コレステロールが過飽和になると析出しやすくなる.ビリルビン系石bilirubin s.の発生は,胆汁うっ滞胆道感染〔症〕が主因である.〔胆石の種類〕 コレステロール系石(純コレステロール石,混成石,コレステロール色素石灰石または混合石)は主として胆嚢内に生じる.ビリルビン系石は原則的には肝内・肝外の胆管系にみられる.その他の結石としていわゆる黒色石,寄生虫石,無機石,脂肪酸石灰石があげられる.黒色石は胆嚢内に多発する.日本人の胆石の頻度は従来はビリルビン系石が多かったが,近年では胆嚢内コレステロール系石が増加した.〔診断・治療〕 腹痛,発熱,黄疸が三主徴である.上腹部激痛と右背部放散痛は胆石仙痛gallstone colicと称し特徴的であるが,コレステロール系石では無症状結石silent s.として無症状に経過するものもある.最近,胆嚢結石cholecystolithiasisは超音波による診断率が著しく高まった.その他胆道造影法,コンピュータ断層法などを応用する.胆嚢内コレステロール系石には適応を厳密にして経口的胆石溶解薬(ケノデオキシコール酸やウルソデオキシコール酸)が投与される.外科的には胆嚢摘出術,総胆管切開・切石術が結石の所在部位に従って行われ,肝内結石に対してはさらに付加手術が行われる.→コレステロール石

胆石性イレウス[タンセキセイイレウス]🔗🔉

胆石性イレウス[タンセキセイイレウス] 【英】gallstone ileus 【独】Gallensteinileus 【仏】ilus biliaire 胆石症の合併症の一つで,胆嚢と周囲管腔臓器(胃,十二指腸,小腸)と癒着し,内瘻を形成して胆嚢内結石が腸管内に逸脱して閉塞性腸閉塞を起こすものである.周囲管腔臓器としては十二指腸が多い.横行結腸との内瘻形成時には結石は結腸に逸脱するので腸閉塞は起こしにくい.小腸を閉塞する結石が1個のこともあれば複数のこともある.治療は開腹し腸切開により結石の摘出を行う.ときには小腸を一部切除しなければならないことがある.

胆石仙痛[タンセキセンツウ]🔗🔉

胆石仙痛[タンセキセンツウ] 【英】gallstone colic 【独】Gallensteinkolik 【仏】colique hpatique 【ラ】colica hepatica 胆嚢内結石が胆嚢頚部または胆嚢管に嵌頓したとき,胆嚢管を通過するとき,肝外胆管結石が総胆管末端に嵌頓したとき,または肝内結石の存在により胆道内圧の急激な上昇や胆道括約筋の痙攣性収縮により仙痛が発生する.胆道系の狭い部に結石が嵌頓する条件としては結石の大きさが小さいものほど頻度が高い.仙痛発作に先立って上腹部や右季肋部の圧迫感などの前駆症状の存在も時にはあるが,突然に右季肋部から上腹部にかけて激しい痙攣様の発作性の痛みを仙痛と称し,右背中・右肩に放散する.過労や脂肪に富む食事が誘因となる.患者は身をかがめまたは輾転反側し冷汗をみる.悪心および胆汁の嘔吐を伴うこともある.アトロピン製剤の注射と局所の氷罨法を行い次第に軽快消退することもあるが悪寒戦慄,発熱と共に発作状態が持続し次第に重篤になることもある.この発作が消退して数日で黄疸の発現をみるときは胆管結石症例が多い.総胆管末端に結石が嵌頓し膵管を圧迫して重篤な膵炎に移行することもある.

胆石破砕術[タンセキハサイジュツ]🔗🔉

胆石破砕術[タンセキハサイジュツ] 【英】extracorporeal shock wave lithotripsy〔of gallstones〕(ESWL) 《同義語》体外衝撃波胆石破砕術 胆嚢結石cholecystolithiasis(胆石症)に対する非観血的治療法の一つで,体外衝撃波を照射し胆嚢内の結石を破砕し排石を促す治療をいう.1986年,旧西ドイツのミュンヘン大学グループが,腎臓結石に対して行われていた体外衝撃波結石破砕術を胆石の治療に応用したのがはじまりである.ピエゾ圧電効果方式(→圧電効果),水中高圧放電方式,電磁変換方式などがある.破砕に際しては1回当たり約3,000発の衝撃波を照射し胆石を砕いていくが,効果が不十分のときは後日治療を繰り返す.砕石後に胆石溶解薬を併用することが多い.本療法の一番の適応は純コレステロール石で,結石の数は1〜3個,大きさは20〜30mm,石灰化がなく,胆嚢の機能が良好なものとされている.合併症としては黄疸,発熱,皮膚の火傷,胆嚢炎胆管炎膵炎などがある.

胆石破砕療法[タンセキハサイリョウホウ]🔗🔉

胆石破砕療法[タンセキハサイリョウホウ] →体外衝撃波胆石破砕療法

胆石溶解剤[タンセキヨウカイザイ]🔗🔉

胆石溶解剤[タンセキヨウカイザイ] 【英】gallstone dissolving agents 胆嚢や胆管の結石にはビリルビン系結石,脂肪酸カルシウムなどを主成分とする結石,コレステロール系結石があるが,胆嚢機能が正常のときには,経口胆石溶解剤oral gallstone dissolving agentsによるコレステロール系胆石に対する溶解作用が期待される.ウルソデオキシコール酸およびケノデオキシコール酸chenodeoxycholic acidはコレステロール溶解作用はあるが,主作用は肝臓におけるコレステロールの合成を阻害することにある.d‐リモネンは胆道内に直接注入され,コレステロール系胆石を溶解する.

胆石溶解〔療法〕[タンセキヨウカイリョウホウ]🔗🔉

胆石溶解〔療法〕[タンセキヨウカイリョウホウ] 【英】dissolution of gallstone, oral bile acid cholelitholitic therapy 【独】Gallensteinauflsung 【仏】dissolution de la lithiase biliaire 経口的,あるいは非経口的に薬剤を投与して,胆石の溶解をはかる治療法.経口的溶解療法にはケノデオキシコール酸(CDCA)とその異性体であるウルソデオキシコール酸(UDCA)の胆汁酸製剤が用いられる.いずれもコレステロール石にのみ用いられ,適応は胆嚢造影X線検査にて胆嚢が描出され,胆嚢内に存在する径1cm以内の非石灰化胆石である.作用機序としては,コレステロール胆石形成の条件となるコレステロール過飽和胆汁(催石性胆汁lithogenic bile)が胆汁酸投与により,コレステロール不飽和胆汁へと改善されて,胆石溶解が生ずると考えられている.効果発現には6ヵ月以上の長期投与を要することが多い.非経口的溶解療法は,術後の遺残胆石に対し,胆管内に挿入したドレーンを介して薬剤を注入して胆石を溶解する.薬剤としては,ビリルビン石にはヘキサメタリン酸ソーダ,コレステロール石にはテルペン化合物のd‐リモネンが用いられる.

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