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嗅覚[キュウカク]🔗🔉

嗅覚[キュウカク] 【英】sense of smell, olfactory sense 【独】Geruchssinn 【仏】sens olfactif, odorat においの感覚.鼻腔の嗅上皮に到達した揮発性のにおい分子は末梢受容細胞である嗅細胞olfactory cellの嗅線毛(嗅毛olfactory cilia)のにおい分子受容タンパクと結合し,嗅細胞の膜電位の変化を引き起こし,嗅神経へのインパルスが発生する.嗅細胞からの神経線維束(嗅糸fila olfactoria)は篩板を貫いて嗅球olfactory bulb(第一次中枢)に達する.次いで,求心性線維として外側嗅索を形成し,前嗅核,ventral tunia tecta,嗅結節,外側嗅索核,扁桃皮質核,外側内嗅領,主として梨状葉(第二次中枢)に終わる.においの識別は嗅細胞と嗅球のレベルで行われることがわかっている.においの感覚には慣れ(順応,脱感作)の現象があり,嗅覚の特徴の一つである.嗅覚は個人差が大きく,加齢により閾値は上昇する.三叉神経舌咽神経迷走神経はにおいの感覚に補助的な役割を果たす.においには心理〔学〕的側面があり,またその選択性,好き嫌いにも個人差,性差,年齢差,民族差があり,精神作用を有する.

嗅覚検査法[キュウカクケンサホウ]🔗🔉

嗅覚検査法[キュウカクケンサホウ] 【英】test of the sense of smell 【独】Prfung des Geruchvermgens 【仏】olfactomtrie 《同義語》オルファクトメトリー olfactometry ニオイ紙法,静脈性嗅覚検査の自覚的検査と嗅電図,脳波,呼吸曲線などを利用した他覚的検査がある.わが国では,1975年文部省班研究「嗅覚測定のための基準臭と検査方法の研究」によって開発されたT&Tオルファクトメータによる基準嗅力検査法standardized test of olfactory functionが標準的嗅覚検査法である.A:β-phenyl ethyl alcohol(花香),B:methyl cyclopentenelon(焦香),C:iso-valeric acid(腐敗臭),D:γ-undecalactone(果実臭),E:skatol(糞臭),F:exaltolide(ジャ香),G:phenol(石炭酸臭),H:dl‐camphor(樟脳臭),I:diallyl sulfide(ニンニク臭),J:acetic acid(酸臭)の10基準臭が決められたが,一般的には日常よくかいでいるAからEまでの5基準嗅素液を無臭のニオイ紙の先端に浸し,前鼻孔の前1〜2cmでかがせて検査を行う.基準嗅素は10倍希釈を行い嗅覚正常者の検知閾値を“0”と表示する.その濃度と希釈倍数の指数の差で嗅力を表す.A, C, D, Eは−2から5までの8段階,Bは−2から4までの7段階の液が用意されている.通常,この溶液の薄い方から順次高い濃度に移ってこれをかがせ(上行法),どの番号のところではじめて嗅覚が起こるかを調べる.においが存在することを感知できたときの濃度の値を検知閾値とし,何のにおいであるかがわかった濃度を認知閾値とする.静脈性嗅覚検査とは,2秒間に1回の安静鼻呼吸をさせ,アリナミン注射液2 mLを20秒間で肘静脈より注射し嗅感発来までの潜伏時間と消失までの持続時間を測定する.正常者では潜伏時間6.2〜10秒,持続時間46.2〜94.6秒である.他覚的嗅覚検査は,嗅刺激を与えて嗅上皮においた電極から電位の変化をみたり,嗅刺激による瞳孔反射,呼吸の乱れや一定呼吸数に要する時間などを利用して行う.→オルファクトグラム

嗅覚減退[キュウカクゲンタイ]🔗🔉

嗅覚減退[キュウカクゲンタイ] 【英】hyposmia 【独】Hyposmie 【仏】hyposmie においがわかりにくくなった状態で,鼻腔内気流が嗅部に到達しない呼吸性嗅覚障害,嗅上皮の障害による末梢神経性嗅覚障害,前2者の混合した混合性嗅覚障害,嗅球olfactory bulb以上の中枢の障害による中枢神経性嗅覚障害に分けられる.

嗅覚脱失(欠如)[キュウカクダッシツ]🔗🔉

嗅覚脱失(欠如)[キュウカクダッシツ] 【英】anosmia =無嗅覚症

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