パラフィンパック 【英】paraffin pack 【独】Paraffinpackung 融点50℃以下の固形パラフィンを電熱器で溶解し刷毛で眉毛，眼，鼻孔以外の顔面に塗り，20〜30分間放置したあと周縁より剥がす美顔療法の一つである．パラフィンが熱不良導体である点を活用し持続方法で熱刺激を皮膚に与え，発汗を促し，垢をとり，パラフィンの凝固によって皮膚が緊張し小皺もとれる点を利用した方法である．このほか美顔パック法にはオイルパック，粘土パックがあり，整肌法としては栄養パック，漂白パック，収斂性パックなどがある．他方，治療目的としてのパラフィン浴は関節リウマチ，小関節の拘縮および疼痛軽減などを目的とし，患部を溶解したパラフィン浴槽中に数秒間出し入れしたのち，患部に付着したパラフィンをラップで覆い20〜30分放置するラップ法と刷毛による塗布法，パラフィンに浸漬したタオル法などがあり，パラフィン浴のあと運動療法が行われる．

パラフィン包埋［パラフィンホウマイ］ 【英】paraffin embedding 【独】Paraffineinbettung 【仏】inclusion dans la paraffine 組織切片を作成する場合，組織そのものがあまり硬くないので数μmというような薄さには切れない．そこで組織中に包埋剤を浸透させて組織に一定の硬度をもたせる．その包埋剤mountantの一つがパラフィンであり，そのほかにゼラチンやエポキシ樹脂などがある．包埋操作としては固定，水洗，脱水，脱水剤の除去を終えた組織片を融点45〜52℃の軟パラフィン，融点56〜58℃の硬パラフィンを順次一定時間浸透させて，最後は低温で固化させる．

パラフィン浴［パラフィンヨク］ 【英】paraffin bath →温熱療法