うつ代理症[ウツダイリショウ]🔗⭐🔉振
うつ代理症[ウツダイリショウ]
【英】depressive equivalent
=仮面うつ病
ウッド灯[ウッドトウ]🔗⭐🔉振
ウッド灯[ウッドトウ]
【英】Wood's lamp
波長365nmの紫外線を発生する紫外線灯を,暗室においていろいろの皮膚感染症の病変部に照射すると,疾患に応じた独特の蛍光を放つ.この紫外線発生装置をウッド灯といい,その照射による検査をウッド灯検査という.たとえば緑膿菌感染のある皮膚潰瘍は緑色,紅色陰癬*の病巣部は珊瑚色,Microsporum canisによる頭部白癬*の患毛は緑白色,癜風*の皮疹は灰黄色の蛍光を発する.したがってウッド灯検査は疾患の診断や感染微生物の推定,あるいは治療における薬剤効果の検討や経過の観察に大いに有用である(Robert Williams Woodはアメリカの物理学者,1868-1953).
うつ乳[ウツニュウ]🔗⭐🔉振
うつ乳[ウツニュウ]
【英】galactostasis
【独】Galaktostase, Milchstauung
【仏】r
tention lact
e
【ラ】galactostasis
乳汁がうっ滞した状態をいう.乳管や乳頭部で乳栓の形成,乳頭部の水疱形成,乳腺炎や乳頭炎のため排乳不足,授乳後の搾乳不備が原因で起こる.乳汁分泌がある程度順調になった時期に発生する.自発痛や圧痛を伴う硬結がみられ,ときに一過性の微熱を認める.マッサージ,搾乳milk pumping,水疱や乳栓の除去,十分な授乳,炎症の治療などによって治癒する.


うつ熱症[ウツネツショウ]🔗⭐🔉振
うつ熱症[ウツネツショウ]
【英】heat retention
=熱射病
うつ病[ウツビョウ]🔗⭐🔉振
うつ病[ウツビョウ]
【英】depression
【独】Depression
【仏】d
pression
《同義語》抑うつ症,メランコリーmelancholia
本来は躁うつ病*のうつ病相を意味していたが,うつ状態と同義に用いられることが多い.うつ病の主症状は, 1)気分*障害(感情障害*), 2)思考障害*, 3)意欲・行為障害, 4)身体症状に分けられる. 1)気分障害の基本は抑うつ気分であり,程度が強くなると無感動になる.また,離人感(→離人症)を伴うこともある.不安*感や焦燥感が強いと不穏,焦燥,興奮*状態を示すこともある. 2)思考障害の特徴は思考形式の面では思考制止(思考抑制*)であり,内容の面では罪業,貧困,心気妄想に代表される微小妄想*である. 3)うつ病の意欲・行為障害は精神運動制止psychomotor retardationと呼ばれる.しばしば患者はやらなければという気持ちは強いが,億劫(おっくう)でやれないと表現する. 4)身体症状としては睡眠障害*,食欲低下・体重減少,性欲減退,自律神経機能の障害,頭痛・頭重,易疲労・倦怠感などの頻度が高い.そのほか抑うつ気分や精神運動制止は午前中に強く,夕方から夜にかけて軽くなる場合が多く,これを日内変動diurnal variationと呼ぶ.今日DSM-IV*やICD-10*の分類ではうつ病は双極性障害bipolar disorderのうつ病エピソードあるいは大うつ病性障害major depressive disorder(ICD-10では双極性感情障害, 現在うつ病エピソードあるいは反復性うつ病性障害に相当)に分類されるが,従来は原因により, 1)内因性うつ病*, 2)心因性うつ病, 3)身体因性うつ病と分類されたり,わが国では笠原,木村が病前性格―発病前状況―病像―治療への反応―経過を考慮して, 1)性格(状況)反応型うつ病, 2)循環性うつ病, 3)葛藤反応型うつ病, 4)偽循環性うつ病, 5)悲哀反応, 6)その他のうつ状態,に分類している.抗うつ薬*の開発により約70%のうつ病は治療可能となり,双極性うつ病*もリチウムlithiumやカルバマゼピン*carbamazepine(CBZ)などの気分安定薬の開発で治療および予防が可能になってきた.しかし,なお20〜30%のうつ病はこれらの薬物療法に反応せず,難治である.

南山堂医学大辞典 ページ 585。