う蝕予防[ウショクヨボウ]🔗⭐🔉振
う蝕予防[ウショクヨボウ]
【英】prevention of dental caries(by fluoride, by laser beam)
【独】Kariesprophylaxie(durch Fluoride, durch Laserstrahlen)
【仏】pr
vention de carie dentair(par flouride, par faisceau du laser)
う蝕*の予防にはセルフケアあるいはホームケアと,歯科保健医療関係者が行うケアとがある.ホームケアとしては, 1)健康の増進:子どもの歯のう蝕の発生や増悪の原因は,食生活や生活習慣が反映しており,健康の増進を図る生活指導をする. 2)プラークコントロール*の指導:年齢の増加や歯の萌出状態に対応したブラッシング方法を細かく指導し,指導結果の評価を行い再度指導することが重要である. 3)甘味飲食物の摂取方法と代用甘味料の利用:う蝕の発生と砂糖の摂取は深い関係にあるが,砂糖の摂取を制限するのではなく,摂取方法を考慮する.代用甘味料の使用は,う蝕予防だけでなくカロリーの過剰摂取を抑制する効果もある.歯科保健医療機関で行うケアは, 1)フッ素塗布:酸に対するエナメル質の抵抗性を高め,再石灰化を促進し,歯垢中の細菌や酵素に作用して酸産生の抑制作用がある.方法は低濃度のフッ素fluorineを作用させるフッ化物洗口法やフッ化物配合歯磨剤と,高濃度のフッ素塗布方法がある.いずれも一部のヒドロキシアパタイトがフルオロアパタイトに変化して耐酸性が向上する. 2)小窩裂溝填塞法;う蝕罹患性の高い小窩裂溝をレジン系シーラントやグラスアイオノマー*セメントを用いてあらかじめ填塞し,う蝕の発生を予防する方法である. 3)レーザーによる方法:レーザーの照射によってエナメル質の表面を変化させ,内部の有機質を変化させて耐酸性を増加させる方法もある.

南山堂医学大辞典 ページ 575。