内視鏡的乳頭切開術[ナイシキョウテキニュウトウセッカイジュツ]🔗⭐🔉振
内視鏡的乳頭切開術[ナイシキョウテキニュウトウセッカイジュツ]
【英】endoscopic sphincterotomy(EST),endoscopic papillotomy(EPT)
【独】endoskopische Papillotomie
内視鏡直視下に十二指腸乳頭に高周波電気切開を行う法である.適応は胆管結石症: 1)胆摘後遺残(再発)結石, 2)外科手術不能の結石, 3)肝内結石.その他,乳頭狭窄症,胆管内視鏡検査の必要な胆道疾患である.禁忌は出血傾向,急性膵炎,比較的長い胆管末端部狭窄症である.手技としてはX線テレビ室で内視鏡的逆行性胆管・膵管造影法の手技と高周波電気切開法の手技の両者を用いる.高周波ナイフの刃(露出部ワイヤー)は操作の違いによって押し出し式と引っ張り式の2つの切開法がある.十二指腸スコープを下行脚に挿入し乳頭部を正面視しスコープの鉗子孔を通して高周波ナイフを選択的に乳頭部胆管に挿入し,ナイフの刃の1/2〜1/3が乳頭内にある位置で固定し切開電流を通電する.ナイフを乳頭内に挿入できない時にはまず予備切開を行いあとで本切開を行うようにする.結石が切開口より自然排泄されることもあるが,バスケット鉗子で摘出することもある.合併症は約7%で,出血,腸管穿孔,急性胆管炎・膵炎である.
内視鏡的ポリペクトミー[ナイシキョウテキポリペクトミー]🔗⭐🔉振
内視鏡的ポリペクトミー[ナイシキョウテキポリペクトミー]
【英】endoscopic polypectomy
胃,十二指腸,大腸などのポリープ*を内視鏡(胃ファイバースコープ,大腸ファイバースコープ)を用いて,その基部にスネアーsnareをかけ,高周波電流にて凝固しながら切除することをいう.対象となるポリープは主として有茎性または亜有茎性のものであるが,ときには無茎性のものを何回かの操作に分けて切りとる(ピースミール・ポリペクトミーpiecemeal polypectomy)こともある.表面型病変ではそのままではスネアーがかかりにくいので,病変直下の粘膜下層に生食液などを局注して全体を膨隆させてポリペクトミーする(国内ではendoscopic mucosal resection(EMR)が一般的であるが,欧米ではsubmucosal injection polypectomyが多い).この場合も一括で切除できなくて,分割になることもある.胃,大腸においては腺腫*,腺腫内癌の診断,治療に大きな役割を演じている.
南山堂医学大辞典 ページ 5530。