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調節痙攣(眼の)[チョウセツケイレン]🔗🔉

調節痙攣(眼の)[チョウセツケイレン] 【英】accommodation spasm 【独】Akkommodationskrampf 【仏】spasme de l'accommodation 【ラ】spasmus accommodationis 毛様体筋が不随意的に収縮を続けるものを調節痙攣という.調節痙攣が起こると,水晶体が厚くなり,屈折性近視となり,遠方が見にくくなる.縮瞳薬の点眼,モルヒネ中毒,食中毒,ヒステリー,外傷などにより起こる.治療としてはアトロピンを点眼する.一過性の近視であるため偽近視ともいう.わが国では勉強,読書など過度の近業を続けるときに毛様体筋が異常に緊張して近視が起こるとし,これを偽近視とする考え方もあるが,区別が必要である.

調節酵素[チョウセツコウソ]🔗🔉

調節酵素[チョウセツコウソ] 【英】regulatory enzyme 《同義語》律速酵素rate-limiting enzyme 解糖系などの一定の代謝経路上で律速段階を触媒する酵素を調節酵素という.この一定の代謝経路の進行速度を支配しているからである.このような酵素は,その代謝と関連する生体物質の存在によって触媒活性が変動する.これには2つのタイプがある.1つは,アロステリズムを示す酵素であり,他は,化学修飾(翻訳後修飾posttranslational modification)によって触媒活性が変化するものである.アロステリック酵素allosteric enzymeはしばしば,生体物質の生合成経路上最初のステップを触媒し,最終生成物によって阻害をうけることがある(フィードバック阻害).また関連代謝物質によって合目的的に活性化を受ける場合がある.前者を負の作用子negative effector,後者を正の作用子positive e.と呼ぶ.一方,化学修飾に伴って活性が変動する酵素では,特定アミノ酸側鎖のリン酸化やアデニル化,あるいは特定の部位でのペプチド結合の限定分解により,多くの場合は触媒活性が発現する.このような修飾によって酵素活性が増大する場合は,カスケード活性化と呼ばれ,代謝応答の急速な増幅が必要な系で観察される(血液凝固,cAMPを介する代謝系).

南山堂医学大辞典 ページ 5007