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窒素塞栓症[チッソソクセンショウ]🔗🔉

窒素塞栓症[チッソソクセンショウ] 【英】nitrogen embolism 【独】Stickstoffembolie 【仏】embolie d'azote 潜函作業者および潜水作業者などが高圧環境下での作業を終えて常圧に戻る時に,減圧が急激すぎると,体内に溶解していた空気の窒素ガスの排泄が間に合わないために過飽和状態となり,ついに体内で気泡を生ずる.この窒素の気泡が小血管内にひっかかると窒素塞栓(ガス塞栓gas embolism)を生じ,一次的にはその流域に相当する部分に障害を呈する.そして二次的には,血液凝固系の反応,末梢循環障害に伴う血液濃縮,中枢神経組織における浮腫などの病態とも関連する.多様な症状を示すケイソン病caisson disease(減圧症decompression sickness)は,この窒素塞栓が大きく関与するといわれている.一般に血流の盛んな部位には塞栓の危険は少なく,血流の遅い流域に危険が大きい.予防および治療法はケイソン病と同じである.→ケイソン病

南山堂医学大辞典 ページ 4901