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大腿骨頭すべり症[ダイタイコツトウスベリショウ]🔗🔉

大腿骨頭すべり症[ダイタイコツトウスベリショウ] 【英】slipped capital femoral epiphysis 【仏】piphysolyse de la tte fmorale 《同義語》大腿骨近位骨端線離解epiphyseolysis capitis femoris 思春期に大腿骨近位の骨端成長軟骨板にゆるみを生じ,骨頭が頚部に対し後内下方に転位するもので,わが国では比較的まれな疾患である.本症は男子に多く,徐々に変位を生じる慢性型が多く,外傷を契機として急激に起こる急性型は少ない.しばしば両側性に発生し,内分泌異常を思わせる肥満体で性器発育の遅れたものが多い.診断はX線検査によるが,骨頭は主に後下方へ転位するので側面像が重要である.すべった骨頭の徒手整復は骨頭壊死の原因となるので,急性型を除き行ってはならない.すべりが軽度であれば転位したままの状態でpinningを行い,すべり部の癒合をまつ.転位が著明な場合は,骨切り術により矯正する.

南山堂医学大辞典 ページ 4636