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対人的見当識[タイジンテキケントウシキ]🔗🔉

対人的見当識[タイジンテキケントウシキ] →失見当識

胎生[タイセイ1]🔗🔉

胎生[タイセイ1] 【英】vivipar〔it〕y 【独】Viviparitt, Viviparie 【仏】viviparit 子が母親の体内で発生,成育する現象をいい,卵生の対語である.これには狭義の胎生(真胎生)と卵胎生ovoviviparityとがある.前者は,胚が子宮壁に着床し,胎児側組織と母体側組織の両方より形成される胎盤placentaにより母体と連絡して,栄養の補給を受け,かつ,母体を通じ老廃物の排出を行い,一定成長後に分娩される現象である.後者は,魚類のタケメバルなどでみられ,胎児は母体内で育つが,養分は母親から与えられずに,卵の卵黄を利用するものである.

胎勢[タイセイ2]🔗🔉

胎勢[タイセイ2] 【英】fetal attitude, attitude(posture) of fetus 【独】Haltung der Frucht 【仏】attitude de foetus 【ラ】habitus fetalis 子宮内の胎児の姿勢をいう.正常胎勢は,頤(オトガイ)部が胸部に接するように児頭,児背は前屈し,四肢の各関節は屈曲して胸腹部で交差している(屈曲胎勢flexion attitude, Beugehaltung).すなわち,子宮腔の形状に適合した最小容積をとっている.異常胎勢には,反屈胎勢deflexion attitude, Streckhaltungがある.妊娠末期までは胎勢は一定せずさまざまな姿勢をとるし,分娩時にも種々に変化するが,反屈胎勢が改善されずに分娩が進行すると異常な経過をとることが多い.

耐性遺伝子[タイセイイデンシ]🔗🔉

耐性遺伝子[タイセイイデンシ] 【英】resistance gene 生物に致死的に働く要因に対して抵抗性を与える遺伝子.致死的に働く要因としては,薬物,放射線,高温・低温などの温度,乾燥などさまざまなものがある.薬物も,抗生物質から化学合成薬品,各種の金属化合物など,種類も作用機序も多様である.したがって,それぞれの要因に抵抗性を与える遺伝子の機能も一様ではない.一般に薬物に対する耐性は,薬物の膜透過性,標的となる細胞因子との親和性,薬物の代謝活性化酵素などの低下や欠如,あるいは薬物の不活性化機構の活性化などによるので,それらの各段階の機能に関連する遺伝子群の変異によって薬物耐性が生じ得る.臨床的には,抗腫瘍薬に対する腫瘍細胞の耐性が問題となっており,多剤耐性の腫瘍細胞の出現も認められている.その原因として,薬物を形質膜外に排出する機能をもつP-glycoproteinをコードするMDR遺伝子の過剰発現が知られている.また,腫瘍細胞は一般に放射線に対して抵抗性が高く,治療中に容易に耐性化するが,腫瘍細胞では癌抑制遺伝子p 53(p 53遺伝子)の変異によって放射線照射後のアポトーシスの誘導が正常に行われないことと関連している.一方,ヒト免疫不全ウイルスのアジドチミジン(AZT)耐性では,本ウイルスの逆転写酵素をコードするpol遺伝子の変異に起因している.病原細菌などにおける抗生物質その他の薬剤に対する耐性の機序と耐性遺伝子については,ほとんどが解明されている.

南山堂医学大辞典 ページ 4629