複数辞典一括検索+

大静脈後尿管[ダイジョウミャクコウニョウカン]🔗🔉

大静脈後尿管[ダイジョウミャクコウニョウカン] 【英】retrocaval ureter 尿管走行の異常による奇形である.正常では尿管は大静脈と平行して走行し膀胱に閉口するが,本奇形の場合には,腎盂より出た尿管は一度大静脈の後方に入り,大静脈壁に沿って弧を描くようにして前方に出,その後は正常の走行をする.大多数は右側尿管に生じる.無症状に経過する場合も多いが,腎部の圧迫感や血尿などで気づかれる.排泄性尿路造影で水腎症が認められる.尿管カテーテル法と大静脈造影を併用することにより診断はより確実となる.尿路感染症腎結石を生じやすい.治療は,尿管を切断して整復後,端々吻合するが,大静脈を切断して尿管を正常位置に戻し,静脈を端々吻合する方法も行われる.

対症療法[タイショウリョウホウ]🔗🔉

対症療法[タイショウリョウホウ] 【英】symptomatic therapy 【独】symptomatische Behandlung 【仏】thrapie symptomatique 疾病の治療上,根本原因に対する治療とは別に,疾病の示す症状に対して,これを鎮静,除去するために行う療法で,疾患の原因にかかわらず,発熱に対する解熱薬の投与や,疼痛に対する鎮痛薬の投与がこれに相当する.臨床上,基礎疾患の原因が判明するまでの間,または判明していても,原因根本療法の奏効する間の併用療法として,また場合によっては根本療法が不能,絶望的な場合でも患者の苦痛を緩和するために行われる療法である.

南山堂医学大辞典 ページ 4627