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赤核脊髄路[セキカクセキズイロ]🔗🔉

赤核脊髄路[セキカクセキズイロ] 【英】rubrospinal tract 【独】Monakow-Bndel 【ラ】tractus rubrospinalis 《同義語》モナコフ束Monakow's fasciculus 中脳の大細胞性赤核に起こり脊髄下端まで下行する運動性伝導路tractus motoriusをいう.大細胞性赤核nucleus ruber magnocellularisに起こる神経線維は直ちに腹側被蓋交差で対側にわたり,対側の内側毛帯背側縁を背外方に滑りながら下行し三叉神経主知覚核の腹方に到達する.これ以降はほぼ直線的に下行し,三叉神経脊髄路核の腹方,脊髄後柱頭部の腹方(側索皮質脊髄路とほぼ同じ位置)に位置する.外側毛帯核の高さで一部の神経線維は上小脳脚腹外側端に入り,上小脳脚を遡行して小脳中位核に終止する.三叉神経主知覚核以下では,小細胞性網様体核の腹側半,脊髄後柱頚部・基部の外側半に終止する.脳幹で一部の神経線維は顔面神経核,後索核腹側部に終止する.一般に運動性伝導路は介在ニューロンを介して運動ニューロンに接続する.大細胞性赤核は爬虫類で出現して動物の階梯とともに発達するが,霊長類になると大細胞性赤核の頭端に接する小細胞性赤核nucleus ruber parvocellularisが発達するため,大細胞性赤核は退化しはじめヒトの赤核は小細胞性赤核で占められ,大細胞性赤核はその尾端に痕跡的にみられるにすぎない.記載者のConstantin von Monakow(1910)はスイスの神経学者(1853-1930).

南山堂医学大辞典 ページ 4191