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神経脱臼[シンケイダッキュウ]🔗🔉

神経脱臼[シンケイダッキュウ] 【英】dislocation of the nerve 【独】Nervenluxation 【仏】luxation du nerf 神経がその本来の解剖学的位置より脱臼するもので,尺骨神経が肘の部で,また腓骨神経が時に腓骨小頭の部で前方に移動するのがほとんどであるが,前者が圧倒的に多い.尺骨神経は上腕骨の尺側上顆の後方(尺骨神経溝)を通り,その後少し前方に出て尺側手根屈筋の筋膜下を走る.肘屈曲時に尺骨神経が溝より逸脱して前方に亜脱臼・脱臼することが正常人でもかなり認められるが,時に麻痺を生じ,手術が必要となることがある.

神経単位[シンケイタンイ]🔗🔉

神経単位[シンケイタンイ] 【英】neurone →神経

神経断絶現象[シンケイダンゼツゲンショウ]🔗🔉

神経断絶現象[シンケイダンゼツゲンショウ] 【英】diaschisis =遠隔機能障害

神経断裂[シンケイダンレツ]🔗🔉

神経断裂[シンケイダンレツ] 【英】division of the nerve 外傷によって神経の連続性が断たれた状態であり,その神経支配下の筋麻痺と知覚脱出が起こる.開放創があり,直視下に神経断裂が認められる場合には診断上の問題はなく,なるべく早期に縫合を行うが,それ以外の場合には,たとえ麻痺があっても,部分損傷か,あるいは神経圧迫・牽引によるものの判定が治療上重要である.これには詳細な筋力テスト,知覚検査が最も有用であるが,筋電図などの電気生理学的検査も補助手段として用いられる.

神経痛[シンケイツウ]🔗🔉

神経痛[シンケイツウ] 【英】neuralgia 【独】Neuralgie 【仏】nvralgie 【ラ】neuralgia 特定の末梢神経の領域において,その神経の走行に沿って生ずる疼痛発作を神経痛と呼ぶ.他覚的な神経学的異常は通常欠如している.また病理学的にも明確な異常所見はみられない.刺激性の因子が末梢神経に加わり,このため反射性に疼痛をきたすと考えられているが,真の病態は不詳である.かつては独立疾患のように扱われた神経痛もあるが,今日ではほとんどの神経痛が症候性のものとして扱われる.例えば,帯状ヘルペス後の神経痛は感染症の後遺症であり,坐骨神経痛の多くは腰椎椎間板ヘルニアによる機械的な原因によって生じ,三叉神経痛は小血管による慢性的な圧迫が原因であるとされる.したがって,神経痛という語は疾患名でなく単なる症状名にすぎず,その基礎疾患の診断が真の治療に先立って必要である.三叉神経痛舌咽神経痛を大神経痛major neuralgiaとして特別に扱うことがある.

南山堂医学大辞典 ページ 3721