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〔神経性〕過(大)食症[シンケイセイカショクショウ]🔗🔉

〔神経性〕過(大)食症[シンケイセイカショクショウ] 【英】bulimia nervosa →過(大)食症 →神経性食欲不振症

神経性下痢[シンケイセイゲリ]🔗🔉

神経性下痢[シンケイセイゲリ] 【英】nervous diarrhea →過敏性腸症候群 →神経性嘔吐・下痢

神経生検像[シンケイセイケンゾウ]🔗🔉

神経生検像[シンケイセイケンゾウ] 【英】biopsy of peripheral nerve =オニオンバルブ

神経性拘縮[シンケイセイコウシュク]🔗🔉

神経性拘縮[シンケイセイコウシュク] 【英】neural contracture →関節拘縮

神経性食欲不振症[シンケイセイショクヨクフシンショウ]🔗🔉

神経性食欲不振症[シンケイセイショクヨクフシンショウ] 【英】anorexia nervosa 【独】Puberttsmagersucht 【仏】anorexie mentale 【ラ】anorexia nervosa 《同義語》思春期やせ症,青春期やせ症 神経性食欲不振症は,若い女性にみられることが多く,器質的ならびに特定の精神的な疾患がないのに,食行動の異常と高度のるい痩を示す病態をさす.DSM-IVならびにICD-10では,以下の項目を満たすことが必要とされる.1) 標準体重の−15%以上のやせ,2) 体重減少は「太る食物」の拒否,自己誘発性嘔吐,下剤の自発的使用,過度の運動,利尿薬の使用などにより患者自身によって引き起こされる(ICD-10のみ),3) 肥満することへの極端な恐れ,4) 身体イメージの障害(やせ細っていても「太っている」と主張する),5) 無月経をはじめとする内分泌系の障害.その他の症状として,さまざまな食行動の異常(過食,隠れ食い,盗み食いなど),栄養不良による二次的な身体症状(低血圧,徐脈,うぶ毛密生,貧血,低カリウム血症,脳萎縮など),治療に対する抵抗,情緒不安定などが認められることが多い.実地臨床では予後のよい神経症圏の症例から,人格障害を背景にもつ重症例までさまざまである.したがって本症の根本的な原因は現時点では明らかではなく,本人の人格的脆弱性,家族関係や発達課題などの心理機制,生物学的要因,社会文化的要因などが相互に複雑に影響しあって発症すると考えるのが妥当である.近年の特徴は,過食を伴う非定型例や神経性過食症bulimia nervosa(過食症)が増加し,年齢的には思春期のみならず小児期から成人,既婚者まで層の広がりがみられる.治療は身体的治療と精神的治療を統合的,総合的に行うことが重要である.身体状態が重篤な場合には,入院治療を行い,経口栄養剤,輸液,経鼻腔栄養,経中心静脈高カロリー輸液(IVH)などを状態に応じて使用する.そのような身体的処置を行う際に,精神療法的配慮が不可欠となる.薬物療法は抗精神病薬(スルピリドなど),抗うつ薬,抗不安薬を適宜使用する.精神療法は病態に応じてさまざまであるが,基本方針は治療者−患者間の信頼関係を根幹とし,患者自身に自己の考え,感情,欲求を表現させながら,内省力を高め,洞察を促していくことである.そして同時に,不安や葛藤が生じても自分で適切に処理できるような,実生活への適応力を強めていくことが重要である.行動化が頻発する場合は,行動制限などを行い,治療の枠組みを強化する必要がある.いずれにしても,根気よい地道な対応が必要な場合が多い.また,環境調整を含めた家族へのアプローチも不可欠である.本格的な家族療法が必要な症例もまれではない.近年は行動療法あるいは認知行動療法の報告が増加している.さらに年齢,状態に応じて,芸術療法,非言語的アプローチを併用すると効果的な症例も少なくない.

南山堂医学大辞典 ページ 3714