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硝子質(ヒアリン)[ショウシシツ]🔗🔉

硝子質(ヒアリン)[ショウシシツ] 【英】hyaline 【独】Hyalin 硝子質(ヒアリン)ということばはガラス状という意味で,膠原線維が異常に蓄積した場合に結合〔組〕織性硝子質が形成される.組織学的に個々の膠原線維が互いに癒合して好酸性のガラス状物質となったものが結合〔組〕織性硝子質で,膠原線維間にあった線維細胞は消失し,線維性組織が細胞を欠く無構造物質となっている.このような変化は種々の病態でみられるが,古い瘢痕組織,ケロイド,子宮筋腫などでよくみられる.慢性腎炎では糸球体が好酸性の硝子化した球となる.硝子化した糸球体は基底膜様物質と,ボーマン嚢の壁細胞の産生した硝子化した膠原線維とからできている.硝子質は上皮性組織にも沈着し,上皮細胞をおきかえる.膵ランゲルハンス島の硝子化がこれに相当するが,沈着している物質はアミロイドで上皮性ヒアリンに相当する.また血管ヒアリンと呼ばれる変化は,脾の小動脈や糸球体の輸入動脈の硝子化で,血液由来のフィブリン,膠原線維や基底膜様物質などで構成されている.

小視症[ショウシショウ]🔗🔉

小視症[ショウシショウ] 【英】micropsia 【独】Mikropsie 【仏】micropsie 【ラ】micropsia 物体の像が小さく見えること.物の形が変形して見えることを変視症というが,その中で大きさが異なるのは大視症と小視症に分けられる.黄斑部浮腫をきたす疾患でみられ,とくに中心性網脈絡膜炎の場合に多い.その他,長期の炎症時の類嚢胞状黄斑浮腫,調節麻痺,輻湊麻痺のときにもみられる.ヒステリー状態のときも一過性に小視症を訴えることがある.原因疾患があればそれに対する治療を行う.一般的に視力の予後はよい.

南山堂医学大辞典 ページ 3498