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骨組織球症[コツソシキキュウショウ]🔗🔉

骨組織球症[コツソシキキュウショウ] 【英】histiocytosis X 1953年にLichtensteinは,好酸球性肉芽腫eosinophilic granuloma,ハンド・シュラー・クリスチャン病Hand-Schller-Christian disease(H-S-C病),レットレル・ジーベ病Letterer-Siwe disease(L-S病)は一連の疾患であるとの考えからhistiocytosis Xと総称した.Shajowiczはhistiocytic granulomaと呼んでいる.3疾患の中では好酸球性肉芽腫の発生が最も多く,H-S-C病,L-S病はまれである.10歳未満,とくに5歳未満例が最も多く,年齢の増加と共に発生数は急減する.好酸球性肉芽腫は主に単発性で,骨病巣は大腿骨,上腕骨などのほか頭蓋骨,脊椎,腸骨,肩甲骨,鎖骨などに生ず.頭蓋骨では打ち抜き像や地図〔状〕頭蓋,脊椎ではCalv扁平椎,長管骨では髄内性骨破壊像,タマネギ皮様の外骨膜反応などを示す.組織学的に好酸球,好中球,リンパ球,形質細胞,多核巨細胞の出現をみる.H-S-C病は頭蓋骨の打ち抜き像,眼球突出,尿崩症の三徴を有す.L-S病は発熱,中耳炎,くり返す細菌感染,貧血,出血傾向,肝・脾腫大,骨破壊像,皮膚疾患などの症状を呈する.

骨粗鬆症[コツソショウショウ]🔗🔉

骨粗鬆症[コツソショウショウ] 【英】osteoporosis 【独】Osteoporose 【仏】ostoporose 《同義語》オステオポローシス,骨多孔症 骨の絶対量の減少を生じているが骨の質的な変化を伴わない状態をいう.骨はたえず吸収,形成されているものであり,したがって吸収率と形成率に差を生じ骨形成が負の平衡となれば骨粗鬆が起こる.最も多い老人性骨粗鬆症senile osteoporosisは正常より骨形成が低下して骨量が減少する低回転骨粗鬆症であり,上皮小体機能亢進症では正常より骨吸収が促進されて骨量が減少する高回転骨粗鬆症である.これらのほかにも種々な疾患で骨粗鬆をきたす.内分泌疾患では甲状腺機能亢進症性腺機能低下症クッシング症候群などがあり,遺伝性疾患としては骨形成不全症,ホモシスチン尿症などがある.骨粗鬆により皮質骨はその幅を減じ骨髄腔は拡大し,海綿骨では骨梁は減少し粗鬆化する.したがって骨の力学的強度も弱化する.臨床的に最も問題となるのは老人性骨粗鬆症で骨粗鬆は加齢と共にその発症率は増大し女性に多くしかも閉経後に急増する(閉経後骨粗鬆症postmenopausale osteoporosis).症状は腰痛が主であり,X線では椎体の横方向の骨梁が減少し,圧迫骨折や魚椎変形をみることが多い.また大腿骨頚部内側骨折でもしばしば骨粗鬆がみられる. 〔治療〕 1)カルシウム剤投与, 2)活性ビタミンD投与, 3)カルシトニン製剤筋注が主である.時にエストロゲン,タンパク同化ホルモンを使用することもある.

南山堂医学大辞典 ページ 2619