口蓋裂[コウガイレツ]🔗⭐🔉振
口蓋裂[コウガイレツ]
【英】cleft palate
【独】Gaumenspalte
【仏】palatoschizis, palatoschisis
【ラ】uraniscochasma
口蓋部に破裂のみられる先天性奇形で,完全裂と不完全裂,片側性と両側性がある.病因として遺伝や環境因子が重視されている.胎生期に左右の口蓋突起の癒合不全が生じたものである.発生率は口腔奇形の約20%で,女性は男性の約2倍である.哺乳障害,嚥下障害,言語障害が生じるほか,二次的に呼吸器疾患を合併しやすい.言語障害と発育を考えて,生後1年半前後に閉鎖手術を行うが,歯列不正*に対する考慮が必要である.
口下顎ジストニー[コウカガクジストニー]🔗⭐🔉振
口下顎ジストニー[コウカガクジストニー]
【英】blepharospasm-oromandibular dystonia
→メージュ症候群
光化学スモッグ[コウカガクスモッグ]🔗⭐🔉振
光化学スモッグ[コウカガクスモッグ]
【英】photochemical smog
【独】photochemischer Smog, photochemische Luftverunreinigung
【仏】smog photochimique, pollution photochimique de l'air
光化学オキシダントphotochemical oxidantによる大気汚染現象で,他の大気汚染物質と違って発生源から直接大気中へ排出されるのではなく,排出された窒素酸化物*や炭化水素などの一次汚染物質に太陽光の紫外線*が照射されて複雑な光化学反応を起こし,刺激性の強いオゾン*O3などの新しい汚染物質が二次的に生成されたもので,さらにSO2をも酸化し二次的に硫酸塩の粒子を形成して視程を悪化させるものである.1945年の夏,アメリカ ロサンゼルス市で眼への強い刺激と喘息様の発作を起こし,植物葉の被害,ゴムの亀裂および視程障害を生じる光化学スモッグが初めて発生し,以後,年々多発悪化し,石炭暖房の煤煙によるロンドン型スモッグと対比してロサンゼルス型スモッグと呼ばれる.わが国では自動車の増加とともに夏の昼間,大都市の大気中O3濃度が増加し,遂に1970年に東京で光化学スモッグによる急性健康障害(眼や気管などの粘膜刺激症状と呼吸器系障害)が集団的に発生して以来,被害の届け出は東京湾地域と大阪湾地域を中心に1975年まで毎年数万人に及んだが,その後は急減し年間数百〜数千人になった.光化学スモッグはわが国では夏の昼間,紫外線の強い時間帯に出現するので,地方公共団体では気象条件を加味して光化学オキシダントの注意報(1時間値の濃度0.12 ppm以上)と警報(同様0.24 ppm)を発令して対策を実施する.環境基準(日本)は,1時間値0.06 ppmである.→オキシダント,大気汚染
南山堂医学大辞典 ページ 2298。