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過(大)食症[カショクショウ]🔗🔉

過(大)食症[カショクショウ] 【英】bulimia 【独】Bulimia nervosa 【仏】boulimi 【ラ】hyperorexia 《同義語》多食症,大食症 摂食障害の一つとして知られている〔神経性〕過(大)食症bulimia nervosaにおいては発作的に繰り返される過食と体重のコントロールに過度に没頭することが特徴とされている.通常持続的な摂食への没頭と食物への抗しがたい渇望が存在し,短時間に大量の食物を食べつくす過食のエピソードに陥る.自ら誘発する嘔吐,緩下薬の乱用,利尿薬などの使用がみられやすい.患者は体重増加を防ぐために厳格な食事制限または絶食,または激しい運動を行う.この障害の病理は肥満への病的な恐れから成り立つもので,患者はみずから厳しい体重制限を課し,経過中に神経性食欲不振症anorexia nervosaの病歴がしばしば認められる.精神症状として抑うつ気分,無気力,不安,焦燥感,衝動行為などがみられやすいが,これらのうち抑うつ症状と自己嫌悪は例外なく出現すると考えてよい.その他自傷,不登校,盗癖,性的行動,家庭内暴力,自殺企図,薬物乱用などの問題行動を引き起こすことがある.〔神経性〕過(大)食症の患者の多くは精神症状が亢じた時に「むちゃ食い」を反復する.むちゃ食い時には高カロリーで消化されやすい食物を大量に摂取する特徴がある.本症患者では「肥満恐怖」があり,過食の後には直後の嘔吐や極端な減食を行い実際の体重は著しく変動することになる.類似の現象として夜間摂食症候群night-eating syndrome,気晴らし食い症候群binge-purge syndromeなどが知られている.過(大)食症に際し身体的合併症として知られているものにう蝕〔症〕,唾液腺腫脹,腹痛,胃拡張などがある.過(大)食症の発症年齢は神経性食欲不振症よりもやや高く20〜30歳代後半まで広く分布し,近年増加の傾向がみられる.治療として薬物療法は抗うつ薬が用いられ,近年は選択的セロトニン再取り込み阻害作用を有する抗うつ薬が登場している.

南山堂医学大辞典 ページ 1126