オキシダント🔗⭐🔉振
オキシダント
【英】oxidant(Ox)
【独】Oxydant
【仏】oxidant(Ox)
本来は酸化剤を意味するが,中性ヨウ化カリ溶液と反応してヨウ素を遊離する酸化性物質の総称である.大気汚染物質としてのOxは光化学反応によって生成されるので,光化学オキシダント photochemical oxidantと呼ばれる.主なものにオゾン*O3,二酸化窒素NO2,パーオキシアシルナイトレートPANsがあるが,Ox の 90%以上はO3である.これらの生成機構は,まず大気中でNO2が太陽光の紫外線*で分解しNO+Oとなり,このO(強い反応性を有する原子状酸素)とO2とによってO3が生成される.一方,炭化水素,とくにオレフィン系のものは光化学活性が強く,OまたはO3と反応して各種のアルデヒド類や炭化水素フリーラジカル(フリーラジカル*)を生成する.これらはNOをNO2に変え,またNO2と反応してPANsなどの過酸化物を生成する.これらの酸化性物質は生体への刺激性物質であるが,とくにO3は呼吸器系を障害し,最も有害である.自動車はOxの前駆物質の発生源として重視される.
南山堂医学大辞典 ページ 893 での【オキシダント】単語。