黄疸出血性レプトスピラ症[オウダンシュッケツセイレプトスピラショウ]🔗⭐🔉振
黄疸出血性レプトスピラ症[オウダンシュッケツセイレプトスピラショウ]
【英】leptospirosis icterohaemorrhagica
【仏】leptospirose ict
roh
morragique
【ラ】leptospirosis icterohaemorrhagica
《同義語》ワイル病Weil's disease, Weil-Krankheit, maladie de Weil
〔病原・疫学〕 病原体は,Leptospira interrogans serovar icterohaemorrhagiaeとserovar copenhageniで,1914年に稲田龍吉と井戸泰によって発見された.病原レプトスピラは,ドブネズミなどの尿細管に長期間保持されており,尿に排泄されるので,それに汚染された水や土壌を介して主として経皮感染,時に経口感染もする.患者は農業や飲食店従事者などが多い.〔臨床所見〕 潜伏期間は2〜14日,多くは5〜7日.経過は3期に分け,第1病週を発熱期,第2病週を発黄期(黄疸期),第3病週以後を回復期とする. 1)発熱期:発病は急激で,悪寒を伴って高熱を発する.初発症状のうちもっとも特徴があるのは眼球結膜の充血,次いで筋肉痛,腰痛,高度の全身倦怠感などである.第4〜5病日から,黄疸,出血傾向が現れる.発熱期間は 7〜8日で渙散*状に解熱するが,全身症状は高度となる. 2)発黄期:黄疸と出血傾向が顕著となる.重症例では出血傾向が強く,また,腎不全,心不全,神経症状,消化器症状が高率にみられ,もっとも危険な時期である. 3)回復期:黄疸や出血は消退しはじめるが,重症例では回復に2〜3ヵ月を要する.第 13〜16病日頃に 3〜4日間の発熱をみることがあり,これを後発熱という.発病初期からみられる重要な臨床検査所見は,
タンパク尿,
赤沈の高度促進,
白血球増加で,尿素窒素の著しい増加は重症例にみられる.GPT*,GOT*, LDH(乳酸脱水素酵素*),膠質反応は軽度の上昇に止まる.〔診断〕病原レプトスピラの証明は,第1病週では血液,髄液,第2病週以降は尿からの培養,モルモットへの接種.特異抗体の証明は顕微鏡的凝集反応などによる.〔治療〕ストレプトマイシンがもっとも有効で,第5病日までに適切な治療を開始した場合の致死率は 10%以下であるが,それ以後では 20〜40%に及ぶ.〔予防〕ワクチンはきわめて有効である.→レプトスピラ症





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