アスピリン喘息[アスピリンゼンソク]🔗⭐🔉振
アスピリン喘息[アスピリンゼンソク]
【英】aspirin-induced asthma
アスピリン*を摂取すると喘息発作を起こす者が喘息患者の10%程度にみられる.これをアスピリン喘息と呼んでいる.中年女性に多く,また,これらの患者は感染型(内因型)喘息,慢性副鼻腔炎,鼻たけ(茸)*を合併していることが多い.アスピリン喘息の患者はアスピリンだけでなく,それ以外の非ステロイド性解熱鎮痛薬(インドメタシン*,イブプロフェン*,ナプロキセンなど)でも発作を起こすし,また,食品添加物であるタートラジン(黄色4号)に過敏な場合もある.アスピリン喘息の発症機序にI型アレルギーが関与しているとは考えられない.その機序としては, 1)アスピリンをはじめとする非ステロイド性解熱鎮痛薬がシクロオキシゲナーゼ活性を阻害する結果,アラキドン酸arachidonic acidからのプロスタグランジン(PG)の産生が抑制され,気管支拡張性のPGE1,PGE2などが減少し,気道が収縮する. 2)アラキドン酸がPGの産生に使われず,5-リポキシゲナーゼ経路へ流れる結果,気管支収縮作用があるSRS-A*(slow-reacting substance of anaphylaxis;ロイコトリエン*C4,D4,E4)がより多く産生され,気道収縮が起こる,などの説があるが,真の機序は不明である.治療として減感作療法が行われることもある.→アスピリン過敏症
南山堂医学大辞典 ページ 82 での【アスピリン喘息[アスピリンゼンソク]】単語。