レム睡眠[レムスイミン]🔗⭐🔉振
レム睡眠[レムスイミン]
【英】REM sleep
《同義語》逆説睡眠paradoxical sleep,速波睡眠fast wave sleep,賦活睡眠activated sleep,パラ睡眠para sleep
睡眠*はレム睡眠とノンレム睡眠*NREM sleepの二相に分けられる.レム睡眠では,脳波はあたかも覚醒時のような低振幅速波パターンを呈し,抗重力筋の緊張が完全に消失し,自律機能は不規則な変動を示す.この睡眠相では急速眼球運動rapid eye movement(REM)を伴うので,その略語を用いてレム睡眠という名がつけられている.それに対して,他の睡眠相はノンレム睡眠と呼ばれている.脳波*,筋電図*,眼球運動*,血圧,脈拍,呼吸,皮膚電気反応などのポリグラフィーによって,これらの睡眠相の判別は容易になる.レム睡眠はノンレム睡眠が1時間半から2時間ぐらい持続した後に出現し,一夜のうちに3〜4回反復する.1回のレム睡眠の長さは10分前後から30分前後にわたる.全睡眠時間のなかでレム睡眠相の占める割合は,新生児では約50%であるが成人では約20%である.レム睡眠時には夢を見ていることが多いとされている.覚醒させるには,ノンレム睡眠時よりも強い刺激を必要とする.動物実験によると,レム睡眠時には海馬ではθ波が認められる.また,橋網様体では棘波が発生し,これが外側膝状体*から後頭葉にかけて広がるという報告があり,PGO波ponto-geniculo-occipital waveと呼ばれている.レム睡眠に関連する部位は橋のあたりにあると推測されているが,詳細な発生機序については不明である.いくつかの同義語はレム睡眠相で覚醒時のような脳波パターンがみられることに由来する.
南山堂医学大辞典 ページ 8016 での【レム睡眠[レムスイミン]】単語。